1.太さの異なる2つのカーボンチューブを接続する場合の立体構造を調べ、接続する部分の円錐形の構造は2つのカーボンチューブのそれぞれのカイラルベクトル(1つのカーボンチューブの構造を指定するベクトル)で1意に指定できることがわかった。 2.また半導体チューブと金属チューブの接続は、金属-半導体ジャンクションとして、半導体ナノデバイスや磁気素子の可能性を持つ。半導体チューブと金属チューブの接続部の電圧電流特性を理論的に計算すると、半導体チューブ側のエネルギーギャップの領域では電流が流れないジャンクションとしての特性を得た。したがってこのような接続は、不純物が不要な高温でも動作可能な素子としての可能性を持つことがわかった。 3.カーボンチューブの軸に垂直方向に磁場をかけた場合のエネルギーバンドの振動構造について詳細に調べ、昨年発表した内容の一部に関し数値計算に誤りがあることがわかった。これをErrataとして修正した。結論としてエネルギーバンドの振動自体は存在するが、バンド幅が著しく変化することはない。
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