研究課題/領域番号 |
07213213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
東原 秀和 信州大学, 繊維学部, 教授 (40026141)
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研究分担者 |
川崎 晋司 信州大学, 繊維学部, 助手 (40241294)
沖野 不二雄 信州大学, 繊維学部, 講師 (60214037)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | フッ化フラーレン / 昇華熱 / 表面エネルギー / 体積弾性率 / 電気化学的性質 / 単結晶 / 電子構造 |
研究概要 |
1.C_<60>F_x、C_<70>F_xの熱的性質と表面エネルギー:TG-DTAにより評価したC_<60>F_x、C_<70>F_xの昇華熱はそれぞれ110kJ/mol、122kJ/molであり、C_<60>のそれ(181kJ/mol)と比べて著しく小さい。また、C_<60>薄膜上の水の接触角は104でC_<60>のそれ(90)よりなかり大きい。これらの結果はC_<60>F_x、C_<70>F_xの分子間力、表面エネルギーが非常に小さいことを示しており、C_<60>F_xの分子結晶が10Kまで回転転移を起こさないことと関連している。 2.C_<60>F_x、C_<70>F_xの電子構造と電気化学的性質:フッ素付加による電子構造の変化の詳細がXPS、UPS、XANES等の電子分光とDV-Xα計算によって明らかにされた。C_<60>のフェルミ準位Efの深さとバンドドギャップEgはそれぞれフッ素付加数xの関数となる。このことは、C_<60>へ付加するフッ素の原子数を制御することによって、C_<60>のEfとEgを任意に制御できることを示しており、C_<60>のデバイス化への一手法といえよう。C_<60>F_xを正極とするリチウム電池の放電特性、起電力の正極利用率依存性、Li/C_<60>F_xセルのボルタンメトリーから得られる可逆的な還元電位等の電気化学的性質はフッ素付加によるC_<60>のエネルギーバンドの変化を直接的に反映する。C_<70>F_x分子の電気化学的酸化還元挙動から、C_<70>F_<54>の電子親和はC_<70>より1.56eV大きいことも明らかにされた。 3.C_<70>F_x単結晶作製とX線構造解析:結晶育成温度200〜220℃でC_<70>F_x(x=52)の単結晶作製に成功した。プリセションカメラと4軸X線回折実験からC_<70>F_xは空間群Fm3mで格子定数17.97Aの面心立方構造をとることが明らかにされた。 4.C_<60>F_xの体積弾性率とその圧力微分値:C_<60>F_xの高圧力下X線回折実験の結果から評価した体積弾性率とその圧力微分値はそれぞれ17.2GPa,10.7であった。
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