申請の設備備品が納入されるまでの期間に、(1)グラファイトナノチューブの高純度生成法を確立し、また、(2)ダイヤモンドを直流アーク放電させ均一サイズのグラファイトナノチューブ合成を達成した。 グラファイトナノチューブの空気中酸化によりその形態変化を電子顕微鏡観察により明らかにしつつある。すなはち、グラファイトナノチューブの空気中酸化は600℃以上で進行すること、また、一定温度において一定時間反応後の軟化度合いを試料の重量変化として把握し一次反応であることを確認した。相対重量変化が20%未満ではチューブと先端の接合部分で欠落が観察され、20%-80%領域ではそれに加えてチューブ側面の複数点で軸対称性を持つ欠落が観察された。その主な成果としてチューブ芯の耐酸化性を確認したことである。 電気伝導率の検討を未酸化の高純度グラファイトナノチューブ集団につき極低温強磁場中で実施した。予備的結果であるが、メゾスコピック系特有の量子干渉効果の平均としての負の磁気抵抗を観測している。
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