研究課題/領域番号 |
07214216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
磯部 稔 名古屋大学, 農学部, 教授 (00023466)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ヘテロ共役付加 / 高選択的立体制御合成 / 疑似エナンチオマー / ト-トマイシン / アセチレンコバルト錯体 / エンジイン / テトロドトキシン / シガトキシン |
研究概要 |
生体応答分子の不斉合成方法論について、我々の独自の完全立体制御共役付加反応による炭素-炭素結合形成や、アセチレンコバルト錯体を用いた中員環エーテル結合形成を開発してきた。標的化合物の合理的な合成を行うには、単に必要な反応の組み合わせで成立するものではなく、筋と流れのある概念で組み立ててこそ完結するものである。この考えから、キラル分子の一つの例としてタンパク脱燐酸酵素阻害剤ト-トマイシンの全合成のため、エナンチオスウィチング法を完成させると同時に全合成を年度初めに達成した。本年度は、その最終段階に残された問題点(例えば9段階5%)を改善するべく、多面的な研究を進めた。ト-トマイシンの高次構造(コンフォメーション)についてその活性との関連を求めるうえで、多数の類似物質の合成を行い、その中から最終的なセグメント間のカップリング反応で極めて重要な知見が得られた。すなわち、水酸基の保護により選択性を発現させたと考えていたところが、そのために立体障害が大きくむしろ反応性を落としていたことに気づき、逆に保護をしないでカップリングしたところ反応性・選択性ともに満足のいく結果(6段階59%)を得た。本年度は上記以外に、不斉炭素原子の多い海洋バイオトキシンとしてテトロドトキシンやシガトキシンの合成研究も、基本的な方法論が定着し、短段階で極めて高度な合成中間体を構築する方法を完成させた。
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