研究課題/領域番号 |
07214217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
伊津野 真一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50158755)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 高分子担持不斉触媒 / 高分子担持不斉試薬 / 不斉Diels-Alder反応 / オキサザボロリジノン / N-メタロイミン / N-シリルイミン / 不斉アルキル化 / 不斉アリル化 |
研究概要 |
不溶性高分子担持型の不斉触媒、試薬が効率的不斉合成においてきわめて重要な手法であることが認識されるとともに、反応性、選択性ともに対応する低分子反応剤と比べて遜色のないものを開発する必要が生じてきた.そこで本研究では、架橋高分子によって構築されるミクロな不斉反応場のコントロールと不斉反応の選択性、反応性との関係について、以下の反応をとりあげ、詳しく検討を行った. 1.不斉Diels-Alder反応:不斉オキサザボロリジノン構造を有するポリスチレン型架橋高分子を触媒として不斉Diels-Alder反応を検討した.溶液中では、この触媒は、会合体を形成しやすく不斉選択性の向上を妨げるが、高分子に固定化することによって選択性を改善することができた.さらにオキシエチレン鎖のようなエーテル酸素を持つ架橋剤を用いると選択性はさらに向上し、95%eeを越える選択性を高分子触媒で実現できた.柔軟な架橋構造は、攪拌等に対する機械的強度の増強にもつながった.また、この高分子触媒を利用したフローシステムを開発し、キラル生成物を連続的に得ることに成功した. 2.イミン類の不斉アルキル化反応:N-メタロイミンのアルキル化により一級アミンを得る反応を検討し、高分子担持型不斉リガンドを用いた反応に応用した.高分子担持型不斉リガンドとして光学活性ジアミン、アミノアルコールを用いたが、非担持型リガンドを越える選択性を得ることは難しかった. 3.イミン類の不斉アリル化反応:種々のイミン類について、不斉修飾アリルホウ素化合物による不斉アリル化反応を行った.N-シリルイミンに対するアリル化反応では、高収率で対応する一級ホモアリルアミンを合成できた.高分子担持型不斉アリル化剤についても検討し、定量的収率でホモアリルアミンを得たが、選択的に若干の低下が見られた.現在この点について改善を検討中である.
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