研究課題/領域番号 |
07214232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小林 修 東京理科大学, 理学部, 助教授 (50195781)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 不斉アルドール反応 / キラルルイス酸 / 不斉合成 / スズ(II)トリフラート / 光学活性ジアミン / シリルエノールエーテル / ケテンシリルアセタール / CLAC合成 |
研究概要 |
高立体選択的反応の開発は、現代有機合成化学における最重要課題の一つである。より高い選択性を追及して、新しい反応試剤、新しい方法論の開発が世界中で活発に行われている。一方、反応の制御という観点からは、単に高い選択性を実現するばかりでなく、「望む選択性」を自在に実現することのできる新しい手法の開発が望まれる。本研究ではこの問題に取り組み、単一のジアステレオマ-あるいはエナンチオマーを高選択的に合成するばかりでなく、すべてのジアステレオマ-あるいはエナンチオマーを得ることのできる効率的手法の開発を目指して研究を行ってきた。その結果、キラルなスズルイス酸を用いる不斉合成反応の研究開発を通して、新しい反応制御法「Chiral Lewis Acid-Controlled Synthesis」を開発することができた。 1.α-ベンジルオキシ酢酸フェニル由来のケテンシリルアセタールとアルデヒドとの反応において、キラルなルイス酸を選ぶことによりsyn体およびanti体がそれぞれ高いジアステレオおよびエナンチオ選択性をもって得られることを明らかにした。この反応では、配位子のわずかな構造の違いによってジアステレオ面およびエナンチオ面の制御が行えることがわかった。合成的には、同一の出発原料から両ジアステレオマ-の光学活性体を高い選択性をもって得ることができ、効率的かつ有効な手法である。 2.ともに(S)-プロリン由来の類似の不斉源を用いて、光学活性2,3-ジヒドロキシエステル誘導体の両エナンチオマーを高収支率かつ高選択的に得る方法を開発した。ここで用いた光学活性配位子の構造の違いは、ピロリジン環に縮合したベンゼン環の位置(インドール骨格かイソインドール骨格か)のみであるが、これらの配位子とスズ(II)トリフラートからなるキラルなルイス酸のコンフォメーションが配位子により大きく異なり、これによって高度なエナンチオ面の制御が実現されているものと推定される。さらに詳細に配位子の検討を行うことにより、それぞれの光学活性配位子の機能を明らかにすることができた。
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