研究課題/領域番号 |
07215244
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
城田 靖彦 大阪大学, 工学部, 教授 (90029091)
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研究分担者 |
中野 秀之 大阪大学, 工学部, 助手 (00222167)
野間 直樹 大阪大学, 工学部, 助手 (70208388)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | オリゴチオフェン / 光電変換素子 / 電気化学的ド-ピング / 導電性 / 共役鎖長 / ビニル型高分子 / 修飾電極 / エレクロクロミックデバイス |
研究概要 |
本研究では、新規な導電性有機物質の創出と機能性修飾電極および光電変換素子への応用を目的として、ポリチオフェンのモデル化合物としてのみならず、新しいπ電子系有機物質として興味がもたれるオリゴチオフェンに着目し、電子物性、光電物性および機能性修飾電極への応用について研究を行った。 (1)オリゴチオフェンを用いるpnヘテロ接合型光電変換素子の作製と特性 新しい光電変換用有機材料の開発を目指して、これまで研究の行われていなかったオリゴチオフェンの光電物性について検討した。p型半導体としてチオフェン5量体、7量体および8量体、n型半導体としてペリレン顔料を用いてpnヘテロ接合型光電変換素子を作製し、それらの特性を比較検討した。オリゴチオフェンの共役鎖長が長くなるに従って、変換効率は大きくなり、ITO/ペリレン顔料/チオフェン8量体/Au素子は、ITO電極から白色光(105mWan^<-2>)を照射した場合、フィルファクター0.5、照射光に対する変換効率0.6%を示した。以上の結果から、オリゴチオフェンが優れた一群の光電変換用p型有機半導体として機能することがわかった。 (2)オリゴチオフェンを側鎖に有する新規高分子を用いる機能性修飾電極の作製とエレクトロクロミック特性 オリゴチオフェンに基づく優れた光・電子機能にフィルム形成能および耐久性を付与した機能性修飾電極の開発を目指して、チオフェン5量体および6量体を側鎖に有するビニル型高分子を、対応するビニルモノマーの電解重合により合成し、これまでに検討したチオフェン3量体および4量体を側鎖に有する高分子の結果と比較した。電気化学的にドープした高分子の電導度は、側鎖オリゴチオフェンの共役鎖長が長くなるに従って、1桁から2桁づつ高くなり、チオフェン6量体を有する高分子(ド-ピング率:94%)は、室温電導度10^4scm^1を示した。本年度合成に成功した高分子は、電気化学的脱ド-ピングおよびド-ピングにより、緑色と淡黄色の鮮明な可逆的色彩変化を示し、それぞれ2秒間のド-ピングおよび脱ド-ピングのサイクルを500回繰り返しても、可逆な色彩変化が見られた。これらの高分子は、鮮明な可逆的色彩変化を示す新規な一群のエレクトロクロミック材料として期待される。
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