研究課題/領域番号 |
07215284
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
藤原 尚 近畿大学, 環境科学研究所, 助教授 (30190101)
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研究分担者 |
古川 尚道 筑波大学, 化学系, 教授 (80015966)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 高配位化合物 / ヘテロ原子 / 電極酸化 / 活性種 / 原子間相互作用 |
研究概要 |
本研究では、含ヘテロ元素化合物から電気化学的手法を用い、新規原子価結合形成による超活性反応種を創成することを目的とし、複数個の原子を含む鎖状及び環状化合物を合成し、電気化学的挙動について研究した。結果について以下に略述する。 テルル原子上に発生する酸化種の安定性について検討する目的で、サイクリックボルタンメトリー(CV)により、電気化学的性質を調べたところ、1-テルロナフタレンの酸化電位は+0.55Vであり、その電極酸化は不可逆である。このように電極表面上に生成したヘテロ原子のカチオンラジカル等のカチオン種は不安定で酸化還元過程は不可逆である。ところが、驚くべきことに、ビステルリドの1,8-ビステルロナフタレンの酸化電位は+0.16Vと異常に低く、酸化還元過程は可逆である。鎖状のテルリドとして初めて電極反応の酸化還元過程で可逆性を示した。1,8-ビステルロナフタレンの容易な電極酸化と酸化種の安定性は、ペリ位テルル原子間相互作用に起因するものである。テルリドの電気化学的挙動に関する研究例は殆ど無く、有益な結果である。 一般にセレニドはt-BuOClと反応しセレノキシドを与えるのに対し、2,6位にジメチルアミノ基を有するセレニドはt-BuOClとの反応でセレノキシドを全く生成せず、脱メチル化のむが進行し、セレネニウムカチオンを与えた。セレネニウムカチオンの還元電位は-1.87Vであった。同様にテルレニウムカチオンの単離も行い、初めて高配位カルコゲネニウムカチオンの構造と性質を明らかにした。
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