研究課題/領域番号 |
07216220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
大野 弘幸 東京農工大学, 工学部, 助教授 (00176968)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | イオン伝導性高分子 / ポリエーテル / ソフトな認識 / 格子エネルギー / 高分子溶媒 |
研究概要 |
本研究では、これまでに得られているイオン伝導性高分子に関する知見を基礎とし、固体中で速いイオン移動を可能とする高分子にイオン認識能を賦与し、イオン選択輸送や、情報変換などの高次機能を持った新しい固相系を設計するとともに、塩の格子エネルギー推定に利用できる新しい高分子溶媒として評価することを研究目的とした。溶媒としてポリエーテルを利用するとアルカリ金属イオンのソフトな認識が起こり、従来の溶液中では発現されなかった昇温による塩の溶解度の低下現象を見いだした。これを詳細に解析し、格子エネルギーとカチオン半径の関数として整理できた。また、この概念を延長して、無水塩の精製法につなげた。ポリエーテルの極性は塩の可溶化とカチオンの認識に重要であるので、ベタイン型色素の発色変化を利用し、含塩系の極性評価を行った。ベタイン型色素は、極性物質と電荷移動錯体を形成し、極大吸収波長のシフトが起こる。これが平均分子量200のポリエチレンオキシド中で再現性良く観測できることを確認し、最大吸収波長をエネルギー換算し、塩の格子エネルギーと比較すると、良い相関が得られた。この結果は、塩濃度が等しいときには塩の解離挙動を反映することを示している。この経験的な相関を利用すれば、未知の塩の格子エネルギーの推定ができることも明らかにした。
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