研究課題/領域番号 |
07216226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大橋 裕二 東京工業大学, 理学部, 教授 (40016118)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | コバルト錯体 / 不斉反応 / X線解析 / 結晶相反応 / 光異性化反応 |
研究概要 |
本年度はコバルトに結合するキラルなアルキル基をメトキシカルボニルエチル基に置き替えた錯体結晶を調製し、このキラルな置換基の結晶相ラセミ化反応を調べた。4種の軸配位塩基について良好な結晶を得た。そのうち3種の結晶については、キセノン光を照射すると、結晶格子を保ったままキラルなアルキル基がラセミ化することを見つけた。この3種の結晶の構造をX線解析で調べてみると、2種は溶媒のベンゼン分子を含み、1種は溶媒のメタノールを含んでいることが明らかになった。そしてキラルなメトキシカルボニル基の反転の際に結晶内で隣接している溶媒のベンゼン分子が協同的に動くことによってラセミ化を促進している。一方、メタノールを含む結晶では、結晶内の非対称単位に存在する5分子のうちの1分子のメタノールが結晶から離脱することでラセミ化を促進している。溶媒分子を含まない結晶はラセミ化を示さない。このように反応する置換基の周辺の分子の協同的な動きがラセミ化に主要な役割を果していることを見いだした。
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