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有機ニッケル(III)錯体の創製とそのグアニン特異的認識能の応用

研究課題

研究課題/領域番号 07216240
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

大塚 雅巳  京都大学, 化学研究所, 助教授 (40126008)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードブレオマイシン / ニッケル(III) / Z型DNA
研究概要

制癌性抗生物質ブレオマイシンがビチアゾール部位でB型DNAの狭い溝に結合し、ピリミジン部位金属錯体の作用によりDNAを切断することは従来からよく知られていた。ところがブレオマイシンのニッケル(II)錯体をイリジウム(IV)で酸化してニッケル(III)錯体にすると、従来知られていたのとは根本的に異なる様式でグアニン塩基を特異的に認識し、ピペリジンで処理するとブレオマイシンのニッケル(III)錯体が結合したグアニン塩基の箇所で切断がひきおこされることが明らかにされた。この場合ブレオマイシンはニッケル(III)錯体部位でグアニン塩基のN-7位と配位結合により相互作用していると考えられている。本研究はこのニッケル(III)錯体のグアニン特異的認識能を発展させ、DNAの局所高次構造の解析試薬の開発を行なうことを目的とした。
薬物とDNAの相互作用はDNAのコンフォーメーションに大きく依存することがよく知られている。とりわけZ-DNAに対する薬物の作用様式は通常のB-DNAとは大きく異なっている。昨年度の研究でブレオマイシンのニッケル(III)錯体は二本鎖DNAがB型コンフォーメーションをとっているときには反応せず、Z型になってはじめてそのグアニン塩基と反応することを見いだした。ブレオマイシンのニッケル(III)錯体とZ型DNAとその相互作用においてはビチアゾール部位は関与していないと考えられる。そこで平成7年度はブレオマイシンの金属部位をもとに構造を改変して設計した人工配位子を合成した。これをニッケル(III)錯体とし、Z型DNAとの相互作用を検討したところ、DNAのZ型領域に存在するグアニン塩基を検出することができた。このようにグアニン特異的認識能をもつ有機ニッケル(III)錯体を創製し、DNAの局所高次構造解析試薬として応用することができ、本重点領域研究の所期の目標を達成した。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 大塚雅巳: "Metal Ion Interaction with Antitumor Antibiotics" “Handbook on Metal-Ligand Interaction in Biological Fluids";ed. by G. Berthon, Marcel Dekker, New York. 926-948 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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