研究課題/領域番号 |
07216252
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田中 秀雄 岡山大学, 工学部, 助教授 (60032950)
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研究分担者 |
黒星 学 岡山大学, 工学部, 講師 (30242316)
鳥居 滋 岡山大学, 工学部, 教授 (70032927)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | パラジウム錯体 / 極性反転 / 電解還元 / アレニルパラジウム / アレン / プロパギルアセタート / 異種金属複合レドックス |
研究概要 |
パラジウム錯体の極性反転を組み込んだ新しいパラジウム触媒反応の開発研究の一環として、主に、プロパルギルアセタート誘導体のパラジウム触媒存在下での電解還元について研究を行った。本年度は、種々の プロパギルアセタート誘導体を調製し、本電解系の適用範囲と反応機構の解明に向けた研究を展開した。本電解還元系では、アレニルパラジュウム錯体の二電子還元(+2e-)によるアニオン活性種の発生が期待され、このアニオン活性種を求電子剤で捕捉する新規パラジウム触媒系の開発を行なった。まず、プロパルギルアセテート誘導体と触媒量のPdCl_2 (Ph_3P)_2とをDMF中、定電流条件下(2.5mA/cm^2)、電解還元を行なって、その反応経緯を詳細に検討した結果、相当するアレン体が生成する。 本反応は、通電と同時に開始しプロパルギルアセテート誘導体の減少に伴ってアレン体が生成すること、約1.2F/mol通電するとプロパルギルアセテート誘導体は、ほぼ完全に消失しアレン体に変わると、さらに、パラジウム錯体のリガンドであるトリフェニルホスフィンの酸化体であるホスフィンオキシドが生成することを見いだした。これらの結果は、本電解還元系では、陰極上での電子授受(+1.2e-)以外に、化学的な還元が一部進行していることを示しており、還元剤として、トリフェニルホスフィンが作用する新しい還元機構を提案した。 一方、異種金属レドックス間で惹起する電子移動系で生じる電子過剰型反応種の挙動についても併せて研究を行った。この電子移動系は電解還元系での電子移動と酷似していることに着目し、電解還元系で生じる電子過剰型反応種と異種金属レドックス系で生じるそれとを比較しながら、新しい触媒機能の開発に向けて展開した。この結果、Pd (II) /Zn (O)あるいはNi (II) /Pb (II) /Al (O)異種金属レドックス系で生じる新規電子過剰型反応種を活用する二三の炭素-炭素結合形成反応の開発にも成功した。
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