研究概要 |
(1)(ベリリウム、ホウ素、炭素、窒素、酸素の多価イオン+水素原子、水素分子、ヘリウム原子)系で共鳴現象が現れるかどうか判定するため電子状態の計算を行い、ポテンシャル曲線を描いた。 (2)上述した系の中で共鳴現象が現われる系を確認するため、また共鳴現象の予備的考察を行うため半古典的方法に基づき断面積の計算を行った。 (3)(Be^<2+>,Be^<3+>,B^<3+>+He)系に対し、量子力学的緊密結合プログラムを用いて3チャンネルで断面積の計算を行ったところ、共鳴現象によるピークが現れたのでその解析を行った。 (4)量子力学的方法を用いた断面積の計算はこれまでは3チャンネルまでの小型の計算しかできなかった。そこで多チャンネル用(メモリー、計算時間の許す限り任意のチャンネルが扱える)の(1)断熱基底から透熱基底に変換するコード、(2)緊密結合方程式を解くコードの2つを開発し、以前3チャンネルの計算を行った(C^<5+>+H)系に適用した。計算結果は3チャンネルの結果とほとんど一致し、プログラムが正常に動作していること、この系では予想どおり3チャンネル以外のチャンネルは電子捕獲過程には影響を及ぼさないことがわかった。 (5)多チャンネル用の緊密結合方程式を解くプログラムを用いて、(N^<4+>+H)系に対し断面積の計算を行ったところ、衝突エネルギー依存性に現れる振動構造が変化したので、この解明を行った。 (6)4チャンネルが相互に強く結合している(Li^<3+>+H)系のより正確な断面積を得ることができ、また共鳴現象が観測できた。 (7)現在、多チャンネル用の緊密結合方程式を解くプログラムを用いて、標的がヘリウム、入射粒子がベリリウム、ホウ素、炭素、窒素、酸素の多価イオンの場合に対し計算を行っている。
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