研究課題/領域番号 |
07221202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
土屋 俊 千葉大学, 文学部, 教授 (50155404)
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研究分担者 |
鈴木 浩之 松下電器産業(株), マルチメディア研究所, 主任技師
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 音声対話 / 発話単位 / 無声区間 / TEI / SGML / 音調句 / 会話分析 / コーパス |
研究概要 |
会話研究をする際には、会話の参加者の発話をどう区切るか、発話の重複をどう扱うかが問題となってくる。また、長い会話の内部にある様々なレベルの言語単位をどのように設定したらよいかということも問題となる。この点については、本研究において、平成6年度から関心を持って、実際のコーパスの作成と関連づけて検討してきた。本年度は、とくにそのような問題が、対話の分析について影響を持つことを確認した。また、このような研究のための、ツールを開発したので、簡単に解説する。また、発話の単位の認定は、談話としての対話の構造の研究に重要な影響を及ぼす。この点は本年度に検討する先行研究の事例からも明らかとなった。しかし、本研究において、対話の単位を設定して、若干の分析を行なった結果、実際には、発話よりも小さい単位が必要であることが判明した。これらは、従来音声上の観点から、たとえば、intonational phraseなどと呼ばれていたももにほぼ一致するが、しかし、音声上の基準からは完全には判定できないので、本研究においては、SubUtterance Unit(SU)「下位発話単位」と呼ぶことにした。 発話単位の一般的なものは、現在までにまだ存在しておらず、会話分析をする際には、分析者が各々便宜を考えて発話単位を決定しているという状態である。今回、Map Task Corpusを作成する際にも、会話記述を行うために発話単位を設定する必要性が出てきた。しかし、日本語コーパスという今まで前例のない条件において発話単位をどのように設定するか、いろいろ考察の余地がある。したがって、先行研究として、英語コーパスを使用して行われた研究、そして日本語会話分析の代表的研究における転記方式・発話単位をもとにして今回は発話単位の定義を考察することにした。これらの例を参考にしたのは、コーパスという条件、そして日本語会話という条件下での有用な発話区分を適用していると考えたためである。 これらの先行研究における発話単位の認定は、発話の機能的分類の方針と密接に関係している。すなわち、対話の構造の分析の方針が単位の認定に影響している。しかし、千葉大学地図課題対話コーパスにおいては、さまざまな観点からの分析を可能にするために、そのような方針を立てるのではなく、可能な限り転記の品質が安定することをめざすことを目標としている。それが、先行研究とのちがいとなっている。
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