研究課題/領域番号 |
07222209
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小笹 隆司 神戸大学, 理学部, 助手 (90263368)
|
研究分担者 |
松田 卓也 神戸大学, 理学部, 教授 (20026206)
向井 正 神戸大学, 理学部, 教授 (10097412)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 超新星 / 固体微粒子 / 形成過程 / 星周・星間塵 |
研究概要 |
(1)Ia型超新星爆発時に放出されたガス中での固体微粒子形成の可能性;鉄族元素の主要な合成源であるIa型超新星爆発時に放出されたガス中での固体微粒子の形成に関する観測的な証拠はなく、また理論的考察も無い。標準であるC+O white dwarfのdeflagrationモデルを採用し、生成された放射性核種の崩壊による加熱と膨張による冷却を考慮したガス温度の時間変化に基づいて金属鉄微粒子の形成を考察した。Ia型超新星では、爆発時に放出されるガスの総質量は少なく速さが大きいためにガス密度が小さくガスが急冷され固体微粒子の形成が起こり易い。核が形成されたとしてもその後の成長は期待できない。形成される鉄微粒子の総質量の上限は、原料物質である鉄の総質量の10^<-5>程度である。結果の一部は、研究会"ラインXガンマ線による天体物理"で報告され、また1996年春季天文学会で発表される予定である。 (2)II型超新星のcarbon-rich領域での炭素質grainの形成;隕石中で発見されたグラファイト微粒子のうち^<18>O過多のものは、その同位体比からII型超新星爆発時に放出されたガス中で形成されたといわれている。実際にどれぐらいの大きさのグラファイト微粒子が形成され得るかを明らかにするために、爆発時の質量が15M_<【of sun】>の超新星爆発のモデルを用い、He層内側の炭素過多の領域での固体微粒子の形成を考察した。炭素過多の程度の小さい外側の領域ではナノメーターサイズの、過多の程度の大きな内側の領域ではミクロンメーターサイズのグラファイトが形成される事が明らかにされた。結果はTodai international symp. 1996 on Cosmochronogy and isotope geoscienceで発表された。 (3)炭素星星周塵の形成過程;隕石中で見られるSiC grainの起源や超新星から放出されたガス中での固体微粒子の形成過程の考察と関連して炭素星星周領域での固体微粒子の形成を考察した。星からの質量放出量に応じて、SiCを核としcarbonで覆われた微粒子がSiCを不純物として含むcarbonの微粒子が形成されることを示した。結果はAstron. Astrophys.に出版される。モンテカルロ法による輻射輸達の計算コードを構築し、提案された微粒子のモデルに基づいて観測スペクトルとの比較を行った(1995年度秋季天文学会で発表)。現在、より詳細な星周領域のモデルを用いて固体微粒子の形成の計算が進行中である(1996年度春季天文学会で発表予定)。
|