研究課題/領域番号 |
07226210
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三島 嘉一郎 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (60027472)
|
研究分担者 |
日引 俊 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30228746)
西原 英晃 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50025920)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 水蒸気爆発 / 粗混合過程 / 可視化 / 中性子ラジオグラフィ / 高速度撮像法 / 溶融金属 |
研究概要 |
本研究の目的は蒸気爆発の前段階である粗混合から蒸気膜崩壊へと至る素過程において膨張する蒸気泡の内部の構造を観察することである。本年度は、中性子ラジオグラフィ法を利用して水中に落下させた高温金属液塊の挙動を可視化した。実験装置は、低融点合金を溶融させる加熱炉と、溶融金属を落下させて現象を起こさせる水槽よりなる。水槽は、高さ20cm、幅10cmであり、奥行きは5cm、3cm及び1cmの3種類のものを用いた。水槽には軽水を満たしたが、奥行き5cm及び3cmのものは中性子透過率を考慮し、重水を満たした。実験では、この重水あるいは軽水中に約500〜600℃まで昇温したウッドメタル、鉛-ビスマス合金などを、1滴ずつあるいは連続して落下させた。そのときの様子は、中性子ビームを試験部の奥行き方向に透過させ、試験部後方にあるコンバータ上に中性子画像を投影させた。この投影像は毎秒500コマの高速度ビデオにて撮影した。この高速度ビデオには、マイクロチャンネルプレートを2枚備えゲインを上げたイメージインテンシファイアを取り付け画像増幅を行った。 鉛-ビスマスを軽水中に落下させた実験では、初期の軽水の量と温度及び溶融金属の量をパラメータとして現象の観察を行った。この組み合わせでは、溶融金属と蒸気の部分は明るく、軽水の部分は暗く写った。これにより、溶融金属が水中を落下し冷えて固まる様子、蒸気泡の発生及び水面の揺動する様子が観察された。水温が飽和温度に近いときには、急激な蒸気発生により大量の水が吹き飛ばされる様子が観察された。ウッドメタルを重水中に落下させた実験では、比較的大量の重水中に少量のウッドメタルを落下させ、その挙動を観察した。この実験では、ウッドメタルが黒く、重水がグレイ、蒸気泡が明るく写った。これにより、溶融金属が水面に落下したとき、溶融金属の上方に蒸気ドームの形成が観察された。これらの画像を画像処理し、溶融金属、蒸気泡及び水の界面の識別ができ、粗混合状態の詳細構造の可視化の可能性が示された。
|