研究課題/領域番号 |
07227205
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川辺 光央 筑波大学, 物質工学系, 教授 (80029446)
|
研究分担者 |
岡田 至崇 筑波大学, 物質工学系, 講師 (40224034)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 分子線エピタキシ / 選択成長 / 量子細線 / 量子ドット / AlGaAs / 水素原子 |
研究概要 |
我々は、いままで結晶成長の制御性を高めるため、成長した結晶に悪影響を与えない原子状水素を導入し基板の表面清浄化、選択成長、格子歪系、量子構造の作製など様々な分野に応用して原子状水素の有用性を示してきた。量子細線や量子ドットといったナノ構造を作製するためには、原子オーダーでの界面の制御が必要である。平成7年度に、自己組織化機構による量子構造作製における原子状水素の影響について調べた。 我々は、量子構造を作製するために(1)マスクを利用するもの、(2)格子歪エネルギーを利用するものの二つの方法で試みた。まず、マスクを利用するものにおいては、原子状水素援用GaAs選択成長で(111)A上には成長が起こらないことを明らかにしており、これを利用して(111)Aの側壁を持つV溝または四面体構造のピットを化学エッチングにより作製し、その先端部にGaAsはIn(Ga)Asなどの量子細線及び量子ドット作製を行う。V溝またはピットの先端部分の形状は、エッチングの面方位による異方性によって決まりマスクパターンの精度にほとんど依存しない。この方法により、エピタキシャル成長のみでの量子構造の縦方向集積が可能となった。 格子歪エネルギーを利用した量子構造作製においては、格子歪系において成長様式が二次元成長から三次元島状成長へ移行する際の転位を含まない三次元島(coherent island)を用いることにより、従来の方法と比べ非常に簡単でかつ良質な量子ドット作製が期待できる。平成7年度の研究で、明らかにした量子ドット作製における原子状水素の効果は次の通りである。量子ドットの大きさは、原子状水素照射のとき約20nmと未照射時と比べ半分程度の大きさになる。また、ドットの分布においても、未照射時はステップエッヂに優先的に分布しているのに対して、原子状水素照射時では成長表面全般に形成されている事が分かった。しかしながら、フォトルミネッセンス測定のためのキャップ層成長までの待ち時間のあいだにドットの形状が変化することが確認され、ドットの形状、寸法制御の上で待ち時間、キャップ層成長が重要な鍵であることを示した。
|