研究課題/領域番号 |
07227215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤井 研一 大阪大学, 理学部, 助手 (10189988)
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研究分担者 |
大山 忠司 大阪大学, 理学部, 教授 (40029715)
小堀 裕已 大阪大学, 理学部, 助手 (90202069)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 量子ドット / 共鳴トンネル効果 / クーロン障壁 / クーロン振動 / 高周波効果 |
研究概要 |
今年度はマイクロ波印加用にマイクロストリップライン構造を持つ量子ドットを設計し、その構造をGaAlAs/GaAsヘテロ接合上に作成しコンダクタンス測定を試みた。マイクロ波印加を試み、印加による影響をコンダクタンスに現れるクーロン振動の変化という形で観測した。 マイクロ波を印加しない場合、量子ドットを介した電流を量子ドットを形成する障壁に対する電子の共鳴トンネル効果により運ばれる。微小量子ドットの場合、その容量が非常に小さくなるため1電子の増加による帯電エネルギー上昇が大きくこれにより更なる電子のトンネリングが妨げられてしまう。このクーロン障壁効果の為に電流は量子ドットに印加するゲート電圧の値に対しほぼ周期的に共鳴型の振動ピークとして現れる。我々はこのクーロン振動ピークの形がマイクロ波印加により変調されることを観測した。印加したマイクロ波の周波数は5.40GHzまでの比較的低い周波数を用いた。マイクロ波の振幅強度を上げていくと共にそれぞれのピークの幅が広がり500μV以上の強度に対しては明らかにピークが2つに分離することを観測した。 ピーク分裂のマイクロ波強度依存性のデータと簡単なピーク形のマイクロ波変調シミュレーションによりピーク分裂の原因はマイクロ波の電場成分が印加したDCゲート電圧に重畳されゲート電圧を変調してしまうことにあることを明らかにした。 さらにこのシミュレーションを実験データに適用することで決定の困難と思われていた量子ドット中の電子系の有効温度をより高い確度をもって決定することを可能にした。現在はより高い周波数印加によりフォトン吸収効果がクーロン振動に及ぼす効果を観測するための準備を進めている。
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