研究課題/領域番号 |
07228208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 明 東北大学, 工学部, 教授 (50093076)
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研究分担者 |
久保 百司 東北大学, 工学部, 助手 (90241538)
AHDRAS Stirl 東北大学, 工学部, 講師 (30271860)
EWA Broclawi 東北大学, 工学部, 助教授 (00261587)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 光触媒 / ゼオライト / ポルフィリン / 分子動力学法 / 量子化学計算 |
研究概要 |
金属ポルフィリン錯体は光合成などで知られる電荷移動など、特殊な機能を持つものとして、あらゆる分野に応用が期待されている。また最近では錯体の光触媒作用とゼオライトの分子ふるい機能を組み合わせるような複合触媒材料にも注目が集まっている。しかしこの触媒機構を詳細に知るためには実験的アプローチの他に、理論的アプローチが必要とされている。そこで本研究は分子動力学計算(MD)と量子化学計算を用いてY型ゼイオライト中での金属ポルフィリン錯体の挙動と配向、および電子状態について検討を行った。 MD計算は、河村らの開発したMXDORTOプログラムを基に、有機金属錯体へも適用可能なesffポテンシャルを新しく導入した。シミュレーションはいずれの系においても、温度300K、1atmの条件で行った。計算結果の視覚化には、当研究室の三浦が開発したRYUGAプログラムを用いた。 メタンの部分酸化によるメタノール合成の触媒として活性を示すと報告されている。NaYゼオライト細孔中に内包した金属ポルフィリン錯体の安定構造について検討を行った。まずUSYゼオライト中での金属ポルフィリン錯体の安定構造をMD計算を用いて観察した。ポルフィリンのMg原子は細孔壁の酸素6員環の中心へ向かう様に配位した。これでは反応活性点と考えられている金属種がゼオライト骨格側へ埋没しており、高い活性を期待することができない。そこで今度はNaYゼオライト細孔中でのMgポルフィリン錯体の安定構造を観察した。Mgポルフィリン錯体はNaカチオンの上に配位し、Mg原子が細孔中心方向へ突出することがわかった。この場合は金属種が細孔中心側に露出するので反応活性が上昇すると思われる。 これらの結果から、Y型ゼオライト細孔中でのポルフィリンの挙動は交換カチオンの存在の有無に大きく影響を受けることがわかった。さらに、このような配位位置でのポルフィリンの電子状態について量子化学計算を行った。
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