研究課題/領域番号 |
07228228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大峰 巌 名古屋大学, 理学部, 教授 (60146719)
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研究分担者 |
斉藤 真司 名古屋大学, 理学部, 助手 (70262847)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ポリエン / 光反応 / 異性化 / 溶媒効果 |
研究概要 |
ポリエンの光異性化過程は非常に多様である事がわかってきた。短いポリエンでは、1つのC-C結合軸の周りの回転が光異性化の反応座標とされ、その捩れ角が90°のところで電子的励起状態から基底状態への遷移が起こる。特にこの90°近傍では、2つのイオン的一重項電子状態の重ね合わせによりいわゆるSudden Polarizationが起こることが指摘されてきた。我々はSudden Polarizationにより2つの基底状態への非断熱遷移(無輻射遷移)チャネルが存在すること、またcovalen state(非イオン的電子状態)の2^1Ag^-電子励起状態がその近くに存在すること示した。一方長いポリエンでは1つのC-C結合軸の周りの捩れでは、これらの励起状態のポテンシャルエネルギー面はそれほど下がらない。また基底状態1^1Ag-のポテンシャルエネルギーの増加も大きくなく、従ってこの1つのC-C軸周りの捩れは、非断熱遷移を含む主な光反応座標ではないことがわかってきた。3つのC-C結合軸の周りの同時に捩れた構造のポテンシャルエネルギーを計算してみると、特に21Ag-では平面構造に比べてそのエネルギーが高くなく、かつ基底状態のエネルギーが上がり、2^1Ag^-とのComical Crossingを起こす。平面構造から3つのC-Cの同時90°捩れ構造への2^1Ag^-励起状態(テトララジカルを作る状態)のポテンシャルエネルギー増加分はMCSCFレベルで9000cm-1程度であり、CIにより1/3程度まで小さくなることが期待される。また平面構造から1C-C90°捩れ構造へは1000cm-1程度の増加である。3C-C同時90°捩れ構造では2^1Ag^-励起状態は基底状態とほぼ縮退している。
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