研究課題/領域番号 |
07228234
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 庸裕 京都大学, 工学研究科, 助手 (70201621)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 光触媒 / バナジウム / アルカン酸化 / イソブタン / 可視光 / アルカリイオン / 助触媒効果 / 水酸化 |
研究概要 |
シリカに高分散担持したバナジウム酸化物(VS)にルビジウムイオンをドープ(Rb-VS)すると可視光照射によりアルカン部分酸化反応が進行する。本研究ではイソブタンの光酸化反応に対する活性酸素種の検討を行った。80%という高い転化率にあっても完全酸化によるCOxは生成しなかった。にも拘わらず、生成物選択性はアセトンを除いて転化率に対して変化した。イソブテン、メタクロレイン(ML)、イソブチルアルデヒド(IB)は減少し、tert-BuOHは増加した。イソブテンの光酸化反応を行うとMLとIBが主に生成したため、これらの生成物はイソブテンから逐次的に生成したか、あるいは、イソブテン生成の中間体と同じ中間体を経て生成したものと思われる。活性酸素種を調べるために気相酸素を^<18>Oでラベルしてイソブタンの光酸化反応を行った。主生成物であるアセトンとtert-BuOH中の重酸素分布の経時変化を調べたところ、アセトンでは重酸素濃度が低く時間がたつにつれその値は増加してくるのに対し、tert‐BuOH中の酸素はほとんどが重酸素であった。これは、アセトンに取り込まれる酵素が格子酸素であるのに対しtert-BuOHには気相酸素に起因する酸素原子が取り込まれることを意味している。メタノール存在下でtert-BuOHの生成量が増大したことより、気相酸素はアセトン生成の際に生成するメタノールと反応して単原子状の酸素種を生成し、イソブタンの三級C-H間に酸素原子を挿入するものと考えられる。
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