研究課題/領域番号 |
07228236
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
TRAN-CONG QUI 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50188827)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | フォトクロミック反応 / 高分子のガラス状態 / 局所緩和 / ポリメチルメタクリレート / アントラセンの光二量化反応 |
研究概要 |
本研究では、フォトクロミック反応の偏光に対する選択性を利用することにより、一軸配向したガラス状の高分子マトリックス中に分散させた低分子ドーパントの拡散律速反応動力学とその回転緩和を明らかにすることを目的とする。フォトクロミック分子と高分子マトリックスはそれぞれ9-hydroxymethyl-10-(naphthylmethoxymethyl) anthracene(HNMA)およびPoly(methyl methacrylate)(PMMA)を用いた。 HNMAを溶媒キャスト法により、PMMAに10^<-3>Mの濃度で分散させた。また、延伸は、シリコンオイル中でPMMAのガラス転移温度(Tg)以上で一定の速度で3および5倍を行った。また、延伸後、室温に急冷し、試料の量末端を固定したまま、測定するまでに一晩放置した。線偏光は、試料の延伸方向と平行(平行照射)および垂直(垂直照射)に入射し、HNMAのアントラセンを選択的に励起し、HNMAの二量化反応を誘起した。得られたは次の通りである。 1)PMMAのガラス領域では、垂直照射と比べて平行照射の方が高い選択効率をもたらした。また、吸収二色性の測定より得られた選択効率η(t)の照射時間依存性は指数関数であり、光学異方性の形成速度は垂直照射と比べて平行照射の方が大きい。 2)一方、偏光照射時間と共に選択効率η(t)は増加するが、ある一定の照射時間が経つと一定値η_<max>に達する。両方の照射法(垂直および平行)で得られたη_<max>の比が陽電子消滅の角度相関法(ACAR)で得られた同様の配向したPMMマトリックスの自由体積異方性の比に近いことがわかった。 3)上記した配向系で得られた選択効率η(t)と反応速度および配向緩和との相関を明らかにするため、回転拡散律速反応のモデルを提唱し、その解析解を求めた。結果として、選択効率が照射時間と共に指数関数的に増加し、その時定数、すなわち、光学異方性の成長速度は配向緩和時間、二量化反応速度との関係が明らかになった。これらの理論的予測は実験結果と定性的に一致することがわかった。
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