研究課題/領域番号 |
07228238
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 佳久 大阪大学, 工学部, 教授 (30112543)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 光化学 / 二重蛍光 / 蛍光プローブ / ベンゼンカルボン酸 / 微視的粘度 / ミセル |
研究概要 |
本研究では、申請者らが全く新たに見いだした芳香族ポリカルボン酸のエステル残基間の立体障害により誘起される二重蛍光が、置換基を適切に選ぶことによって溶媒粘度に全く依存しない特性を利用して、これまで困難であった分子集合系中の微視的粘度を定量的に検知できるプローブとなる実用可能な高感度で定量性の高い微視的粘度センサー分子の開発を行った。 さらに、一般に溶媒の粘度が圧力とともに規則的に増大することを利用して、これらの二重蛍光分子を高圧反応でよく利用される5,000気圧程度までのin situの圧力センサーとして利用することの可能性についても詳細に検討し、充分応用可能であることを実証した。 [主な研究成果] 1)本年度の研究から、ベンゼンヘキサカルボン酸エステルのエステル残基の分子構造と、Franck-Condon状態および緩和状態からの二重蛍光のそれぞれの発光波長および強度比との相関関係が明らかになり、よりピーク分離が大きく(つまり定量性が高く)、粘度依存性(つまり検出感度)の高い置換基を有するプローブ分子を新たに設計・合成した。 2)これらの新規センサー分子について、その二重蛍光ダイナミックスをフェムト・ピコ秒レーザー、蛍光分光光度計および偏光解消測定装置を用いて解明した。 3)上記の結果を解析することにより、二重蛍光の発現機構およびピーク分離と相対強度比を支配する因子をより詳細に明らかにすることが出来た。 4)その成果を蛍光プローブの分子設計にフィードバックし、より高分離で高感度の二重蛍光性プローブ分子を合成した。 5)この最適化分子を用いて、様々な粘度を持つ極性および非極性溶媒中で二重蛍光挙動を観測し、ピーク強度比ならびに寿命と粘度との定量的な関係式を導出し、ミセルの微視的粘度が会合数に依存して顕著に変化する様子を実験的に確かめることが出来た。
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