研究課題/領域番号 |
07228250
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
三澤 弘明 徳島大学, 工学部, 教授 (30253230)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 刺激応答性高分子ゲル / マイクロゲル / 近赤外レーザー光 / 放射圧 / 相転移 |
研究概要 |
本研究においては、近赤外レーザー光(1064nm)の照射によりレーザー誘起相転移を示すマイクロメートルサイズのポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)ゲルを光反応制御のための環境場として用い、その親水・疎水的環境や、物質透過性を近赤外レーザー光によって制御し、そこで生起する光反応ダイナミックスを精密に制御する方式を確立することを目的としている。平成7年度は、熱モード、光-熱モード、光圧モードなど、様々なモードによってPNIPAMの相転移を制御し、ゲル中の蛍光プローブの発光スペクトルやダイナミックスに関する計測を行いそのミクロ環境変化について検討を加えた。 1-アニリノナフタレン-8スルホン酸(ANS)は、微視的な極性変化に応答する蛍光プローブである。このANSを含む水溶液中で微小PNIPAMゲルのレーザー誘起相転移にともなうANSの蛍光スペクトル変化を観測したところ、熱モードの場合には収縮した部位から475nmに発光極大を持つ蛍光スペクトルが観測された。一方、光-熱モードの場合には470nmに発光極大を持つ蛍光スペクトルが観測され、熱モードと比較してより疎水的な環境が形成していることが明らかとなった。また、通常ミクロ環境変化に対して蛍光寿命がほとんど影響を受けないとされているロ-ダミンBを含む水溶液中において、PNIPAMゲルの相転移を行ったところ、熱モード、光-熱モード、光圧モードいずれの場合もロ-ダミンBの蛍光寿命が膨潤時よりも短くなり、収縮したゲル中の水の構造は、膨潤時の水の構造とは異なることが示された。
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