研究課題/領域番号 |
07228267
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
間瀬 一彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (40241244)
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研究分担者 |
宇理須 恒雄 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (50249950)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 表面動力学 / 光反応 / 光刺激脱離 / オージェ刺激脱離 / 内殻電子励起 / 電子-イオン・コインシデンス測定 / 軌道放射光 / 光電子分光 |
研究概要 |
内殻電子の励起に起因するイオン脱離の研究は、萌芽的基礎科学として重要であるばかりでなく、1)気相液相の光反応ダイナミックス、2)サイト選択的光反応、3)宇宙、成層圏、加速器内壁などにおける高エネルギー粒子誘起反応など、関連研究に貢献する重要な分野である。我々は、表面内殻励起誘起イオン脱離の反応中間状態の解明、および反応の環境場依存性とその原因解明を目的として、電子-イオン・コインシデンス(EICO)測定を用いた研究を進めている。EICO測定は同一の励起過程によって表面から放出される電子とイオンを、電子エネルギーを選別し、イオン質量も選別して、同時に検出する手法である。光電子-光イオン・コインシデンス(PEPICO)測定によって内殻電子放出終状態を選別した光イオン収量の測定ができる。また、オージェ電子-光イオン・コインシデンス(AEPICO)測定によってオージェ終状態を選別した光イオン収量の測定ができる。軟X線光源としては分子研の軌道放射光施設、UVSORを用いた。Si(CH_3)_4とSiF_4の凝縮固体表面のPEPICO測定を行ない、1)Si(CH_3)_4ではSi2pあるいはCls内殻電子放出終状態を経由して、H^+が脱離する、2)SiF_4ではSi2p内殻電子放出終状態を経由して、F^+が脱離する。3)多原子イオンの中性化確率はH^+、F^+よりも大きい、などの知見を得た。また、H_2OおよびNH_3、ND_3の凝縮固体表面のAEPICO測定を行ない、1)O(あるいはN)(KVV)オージェ終状態を経由して、H^+が脱離する、2)O-H(あるいはN-H)結合性価電子軌道に空孔を持つオージェ終状態からH^+の脱離確率が大きい、3)NH_3、ND_3では一つの価電子軌道に二空孔が局在化したオージェ終状態からのH^+の脱離確率が大きい、4)D^+の中性化確率はH^+よりも2倍以上大きい、などの知見を得た。
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