研究課題/領域番号 |
07229211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (社)北里研究所 |
研究代表者 |
板井 昭子 (社)北里研究所, 生物機能研究所, 部長研究員 (60012647)
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研究分担者 |
富岡 伸夫 (社)北里研究所, 生物機能研究所, 研究員 (20202202)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | マラリア / マラリア治療薬 / ドラッグデザイン / ジヒドロ葉酸還元酵素 / 蛋白質モデリング / コンピュータ薬物設計 / デノボリガンド設計 / ドッキングスタデイ |
研究概要 |
マラリアはマラリア原虫(以下P.f.と略す)による熱帯病で、世界で最も患者と死者の多い病気である。ジヒドロ葉酸還元酵素DHFRの阻害剤がこれまで特効薬として用いられてきたが、薬剤耐性株が蔓延し、有効な治療薬がなくなってきた。本研究はこれら耐性株に有効な特効薬を開発するため、P.f.DHFRの結晶解析を行い、当研究者らが長い間開発してきたコンピュータ薬物設計の方法論により、P.f.DHFRの新規阻害剤を論理的に設計することを目的として行われた。まず阪大微研の堀井教授らにより遺伝子工学的に生産されたP.f.のDHFRの結晶化を行った。しかし、P.F.のDHFRは原虫体内でチミジル酸合成酵素TSと30残基ほどのペプチド鎖で連結したDHFR-TSとして存在する。この連結部を切断して作ったDHFRは安定性に問題があり、さまざまな結晶化条件を検討したが、結晶化できなかった。そこで、既に解析されている他の種のDHFR(大腸菌やヒト)の立体構造と1次構造のホモロジーに基づいて、基質結合部位のモデリングを行った。一方、分子内にグアニジノ基やアミジノ基をもち、リガンドとなる可能性の高い20化合物を市販化合物リストから選び出して購入し、マラリア野生株と耐性株、及びヒトとの選択性をみるためウシのDHFRに対する阻害活性を調べた。その結果活性のあった化合物をもとに若干の構造修正を行って3種の化合物の合成を行った。これらは阻害剤として新規であったが、活性・選択性ともに従来の特効薬ピリメタミンには及ばなかった。そこで、ドッキングスタディによりこれら化合物の結合様式を推定し、上記のモデイリング構造の妥当性を確かめるとともに、活性を改良するべく構造修正を行ってその合成を検討している。
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