研究課題/領域番号 |
07229220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
碓氷 泰市 静岡大学, 農学部, 教授 (50111802)
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研究分担者 |
河岸 洋和 静岡大学, 農学部, 助教授 (70183283)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Enzymatic Synthesis / Transglycosylation / Oligosacchavide Unit / Molecular Recognition / Glycosidase / Glycoconjugate / Glycopolymer / Lectin |
研究概要 |
本研究は、複合糖質の分子認識に関わる重要オリゴ糖単位を合成するために、糖質水解酵素を触媒素子として、従来では達成し得ない実践的合成プロセスの確立を目指す。合成したオリゴ糖鎖を認識マーカーとして高分子に組み込んだ糖鎖高分子を構築したり、BIAcore(生物学的特異作用分析装置)のバイオセンサーリガンドと成し、これらと糖結合タンパクとの相互作用の解析から糖鎖認識発現の機作を究明していく。 最初に、ムチン型糖鎖I型の構造ミミック単位である3‐O‐β‐ガラクトシル‐α‐N‐アセチルグルコサミニド配糖体(Galβ1‐3GalNAcα‐pNP)をブタ精巣β‐ガラクトシダーゼのガラクトシル転移反応を活用し、ラクトースとp‐ニトロフェニルα‐N‐アセチルガラクトサミニドとから従来では達成し得ない効率的な合成に成功した。次に、スフィンゴ糖脂質オリゴ糖単位として知られているラクト‐N‐トリオース(GlcNAcβ1‐3Galβ1‐4Glc)単位の合成すべくNocardia orientalis起源β‐N‐アセチルヘキソサミニダーゼを用い、受容体のラクトースグリコシド誘導体へのN‐アセチルグルコサミニル転移反応を試みた。この場合、受容体基質とシクロデキストリンとを包接複合体となし反応を行うとGlcNAc転移の位置選択性の操作が可能で、目的化合物の収率の向上ををもたらした。さらに、α結合したL‐フコース3糖の合成をAlcaligenes sp. 起源α‐L‐フコシダーゼのフコシル転移反応により、p‐ニトロフェニルα‐L‐フコシドとN‐アセチルラクトサミンから高収率で2′‐O‐α‐L‐フコシル‐N‐アセチルラクトサミンを得た。 これまでに酵素合成で得たp‐ニトロフェニルβ‐ラクトサミニドを出発原料に用いてニトロ基を還元後、p‐アクロイルアミノフェニル配糖体とし、これをモノマーにして重合反応を行い糖鎖ポリマー(pA‐LacNAc)を得た。同じ合成プロセスでpA‐IsoLacNAc、pA‐Lac等を得た。これらはレクチンとの糖鎖認識に基づいた結合特性を示し、糖鎖プローブとしての利用が期待できた。
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