研究課題/領域番号 |
07230216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
戸嶋 直樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50011010)
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研究分担者 |
寺西 利治 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (50262598)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | パラジウムクラスター / 高分子錯体 / 希土類イオン / ランタニド / 水素化 / ポリアクリル酸 / X線光電子分光 / コロイド触媒 |
研究概要 |
1)ポリ(N-ビニル-2-ピロリドン)に保護されたパラジウムクラスター分散系触媒を用いて、アクリル酸の常温常圧による水素化を行う場合、希土類の塩を添加すると活性は低下した。しかし、配位能を有するアニオン性高分子であるポリアクリル酸ナトリウムを保護剤として、パラジウムクラスター分散液を調製し、これに塩化ネオジウムなどの希土類塩を添加すると、活性の向上が認められた。 2)この活性向上の程度は希土類塩の種類および基質の種類により異なる。例えば基質では、アクリル酸やアリルアミンで反応速度は速くなったが、シクロオクテンや1-ヘキセンなどは変化は少なく、場合によっては減速した。これらの事実より、加速効果の主たる要因は、ポリアクリル酸ナトリウムによりパラジウムクラスター近傍に配置された希土類イオンが、基質との親和性により、基質を触媒近傍に濃縮する効果であるものと考えられる。 3)希土類イオンを添加した高分子保護パラジウムクラスターをX線光電子分光で測定したところ、希土類イオンとパラジウムクラスターの共存により、希土類イオンの結合エネルギーは高エネルギー側に、パラジウムは低エネルギー側にシフトする傾向があることが分かった。これは、希土類イオンからパラジウムクラスターへの電子移動の存在を示しており、しかもその方向は通常の金属イオンとは逆である。この電子的相互作用も、希土類イオンによるパラジウムクラスターの水素化加速効果の一因と考えられる。
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