研究課題/領域番号 |
07230235
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
巽 和行 名古屋大学, 理学部, 教授 (10155096)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | イットリビウム / サマリウム / チオラート錯体 / スルフィド錯体 / アルキンチオラート / 分子軌道法 / サマロヤン / アルキン錯体 |
研究概要 |
1.Ybl2(thf)_xとLiS^tBuをTHF中で反応させると橙溶液と赤色沈殿が生成する。この橙色溶液部分から5個のイッテルビウムからなる興味深いスルフィド・チオラートクラスター[Li(thf)_2]_3[Yb_5S_3(S^tBu)_<12>](1)が橙色結晶として単離された(20yield)。錯体1は5個のYbが三方両錐型にあり、炭素-硫黄結合切断で生成したμ^4スルフィドが3個三方両錐形赤道面上に位置する。さらに、2つのYbに架橋したt-ブチルチオラートが6個と、YbとLiに架橋したチオラートが6個あり、各Liにはthfが2分子ずつ配位している。Ybはすべて3価で6配位の歪んだ八面対構造をとる。 2.特殊なチオラート配位子を持つランタニド錯体の合成を目的とし、不飽和アルキニル置換基を有するチオラート塩LiSC≡CPhとCp^*_2SmCl_2Li(OEt_2)_2の反応を行い、[Li(tmeda)_2][Cp^*Sm(SC≡CPh)_2](2)を高収率で単離した。屈曲形Cp^*_2Smにアルキニルチオラートが2分子結合しており、平均Sm-S結合距離は2.97Åである。得られた錯体にはd遷移金属と結合できるアルキニル部位が存在するため、d-f異核金属クラスター合成への展開が期待される。 3.ランタニド錯体の結合と電子状態を理解するために、我々は簡便な拡張ヒュッケル型分子軌道を適用する。そのために必要な計算パラメーターは、相対論効果(スピン-軌道相互作用を含む)を考慮した正確なDirac-Slater原子軌道計算によって求めた原子軌道関数とそのエネルギー値を用いて算出した。新しく決定した拡ヒュッケル計算パラメーターを用いてサマロセンCp_2Smの電子状態および不飽和炭化水素との結合について解析した。
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