研究課題/領域番号 |
07230254
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石田 昭人 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20184525)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 希土類 / クラウン / ポルフィリン / 超分子 / 光電子移動 / エネルギー移動 / 光触媒 / EXAFS |
研究概要 |
希土類クラウン錯体の電子およびエネルギー移動反応について検討し、以下の知見を得た。 1.クラウン錯体形成による希土類イオンの電子的特性の定量的解明 希土類イオンの酸化還元電位はクラウン錯体形成にともないシフトした。EXAFSを用いて溶液中における配位環境の評価を試み、電位変化との相関を検討した。MeCN中のクラウンエーテル無添加系におけるEXAFSでは動径構造関数において硝酸塩で0.25nmに主ピーク、0.42nmに弱いピークが観測された。一方、過塩素酸塩では0.25nmに主ピーク、0.35nmに弱いピークが観測された。主ピークはいずれもEu^<3+>にキレート配位した対アニオンの酸素原子と思われる。クラウンエーテルの添加にともないEXAFSに変化が現われれた。硝酸塩、過塩素酸塩ともにクラウン添加により第二ピークが生成し、いずれも濃度比([crown]/〔Eu^<3+>〕)の増加とともに増大したことから、これらの第二ピークはクラウンの酸素原子の配位によるものと思われる。一方、15-crown-5高濃度添加系では1:2錯体の形成にともなうと思われる第二ピークの強度変化が観測された。 2.ポルフィリン-クラウン化合物による遷移金属-希土類ハイブリッド錯体構築と電子的特性 クラウンエーテルを側鎖に有する一連のポルフィリンを合成し、ポルフィリン部を亜鉛および金錯体とした。両者の混合溶液の吸収スペクトルはそれぞれの単独系の総和となり、蛍光スペクトルは亜鉛ポルフィリンと一致したが、ここに微量の過塩素酸ユウロピウムを添加するとSoret帯の裾に大きな立ち上がりが観測されるとともに新たな蛍光バンドが現われた。これはユウロピウムイオンが亜鉛および金ポルフィリンのクラウン部と錯形成し、両者を接近させて電子的相互作用を発現させたものと思われ、遷移金属-希土類ハイブリッド超分子錯体の形成が示唆された。
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