研究課題/領域番号 |
07230275
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
片田 元己 東京都立大学, 理学部, 教授 (20094261)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 希土類錯体 / 鉄錯体 / メスバウアー分光 / ユウロピウム / X線構造解析 / 配位高分子錯体 / ナフチリジン / ビピリジン |
研究概要 |
LnCl_3・nH_2O、1,8-ナフチリジン(napy)及びK_3Fe(CN)_6を水溶液中で反応させることにより、[Ln(napy)_2][Fe(CN)_6]・7H_2Oで表される一連の新規希土類-鉄錯体を合成した。LnがLaやCeなどの軽希土では安定であるが、YbやLuの重希土では不安定であった。La、Ce、Eu及びGdについては単結晶が得られ、X線構造解析を行った。いずれも同形で、結晶構造はCN^-基で希土類原子と鉄原子が橋架けされた1次元ポリマー鎖からなる。このような構造ははじめて見いだされたもので、さらに興味深いのは希土類原子に配位したナフチリジンがスタックすることにより、この1次元鎖が擬2次元シートを構成している点である。一方、[Eu(napy)_2][Fe(CN)_6]・7H_2Oの^<151>Eu-メスバウアースペクトルの面積強度の温度依存性は3次元ポリマーであるEu[Fe(CN)_6]・4H_2Oに比べて大きくなっており、これらの錯体が1次元ポリマーであることを支持している。また、^<57>Fe-メスバウアースペクトルの測定からは、鉄原子の周りの対称性が低下していることがわかった。 フェナントロリン(phen)、ビピリジン(byp)等の配位子を用いて類似の錯体の合成を試みたところ、ビピリジンとユウロピウムからは新規錯体[Eu(byp)(H_2O)_4][Fe(CN)_6]・1.5byp4H_2Oが単結晶として得られた。構造解析の結果、ナフチリジンの場合と同様-CN-Eu-NC-Fe-CN-の1次元鎖が形成されているが、ビピリジンは1分子しかユウロピウムに配位しておらず、残りの1.5分子のビピリジンのうち1分子は1次元ポリマー鎖間を水素結合を介して繋ぐのに用いられ、残りの0.5個のビピリジンは溶媒和分子として存在しているというきわめて複雑な構造をしている。フェナントロリン錯体については、単結晶を育成中である。
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