研究課題/領域番号 |
07230286
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
宮内 憲一 愛知学院大学, 教養部, 助教授 (60167236)
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研究分担者 |
山口 正人 愛知学院大学, 教養部, 助教授 (80139948)
島野 僚祐 愛知学院大学, 教養部, 教授 (30097571)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ランタニド / う蝕予防 / 口腔内細菌 / 凝集沈殿作用 |
研究概要 |
人類の殆どに発症するう蝕は、歯表面に酸産生菌が付着し、増殖することがその主因である。口腔内細菌の増殖を阻害する効果のあるLn(ランタニド元素類)に細菌を凝集沈殿させる効果があることを発見したので、その性質およびメカニズムを研究した。 Lnの細菌凝集効果は軽希土類と重希土類で異なっていた。又、同一菌でも発育環境により効果の受け方に差がみられた。一般的に、5x10^6個のS.sobrinus菌(代表的なう蝕原因菌)を凝集沈殿させるのに必要なLnは1.3x10^<-4>mol/lであった。う蝕原因菌に多いグラム陽性菌をよく凝集したが、歯周疾患の原因菌とされるグラム陰性菌のP.gingivalisは凝集させなかった。Ln塩の形態も影響し、酢酸塩での効果が大きく塩酸塩や硝酸塩での凝集能は低下した。溶液のpHも影響し、アルカリ域で凝集能が高まった。この細菌凝集能はLnに特有であり、代表的な金属元素であるCaやMgにはその効果がみられなかった。 これらの結果からは、菌体表面のテイコ酸が菌体-Ln-菌体の結合沈殿に関わっていることが示唆されるので、培養菌体を塩酸処理し、テイコ酸除去菌体としてそのLnによる凝集能を調べた。その結果、テイコ酸以外の因子が関与している可能性を得た。 現在、Lnと菌体の結合に関与している因子の分析とそのメカニズムの解明を続けている。また、Lnには歯質の酸による脱灰を阻止する効果のあることが判明したのでその性質やメカニズムについても研究している。
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