研究課題/領域番号 |
07231201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 政隆 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (10006330)
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研究分担者 |
原田 宣之 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (30006324)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ベルベノン / フェロモン / 包接結晶法 / 光学分割 / 固相反応 / ナギラクトン / マルビイン / Baeyer-Villiger反応 |
研究概要 |
ベルベノン、ベルベノールは昆虫フェロモンとして単離・構造決定されたモノテルペンである。また、長期間保在されたテレピン油中にも存在することが知られている。ベルベノンは香料としても利用されており、マツ科植物に広く分布するモノテルペンであるα-ピネンの自動酸化により合成されている。しかし、α-ピネンの光学純度は種依存性があり、光学純度の高いベルベノンを得ることは非常に困難であった。今回、酒石酸誘導体をホストとする包接結晶法を用いることにより、簡便かつ大量にベルベノンを光学分割する方法を確立することができた。光学純度の高いベルベノンは医薬品や食品添加物としての利用が期待できる。また天然有機化合物のキラル源としての活用も期待される。その一例として、ジテルペン、ナギラクトン類やマルビインさらにLLZ-1271αのエナンチオ選択的な合成研究をおこなって、マルビインとLLZ-1271αの全合成を完成させることができた。 これらのジラルベン類の全合成の過程で固相中でのBaeyer-Villiger反応を見い出すことができた。有機化学においては、重合や光反応では固溶反応はこれまでも用いられてきたが、Baeyer-Villiger反応では殆んど前例がなかった。今回のこの反応は溶液中ではまったく進行しない反応ではあったが、固相中では極めてスムーズに進行した。Baeyer-Villiger反応は固相中でも溶液中と同様に普遍的に進行するのか、基質特異性があるのかを検討中である。 また、包接結晶法は油状であるモノラルペンを結晶化でき、その絶対立体化学をX線により決定することができた。この手法は新たな構造決定法として利用できることを示唆している。
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