研究課題/領域番号 |
07231212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
田中 清明 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00092560)
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研究分担者 |
竹中 康之 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 助教授 (60251609)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | X線回折法 / X線原子軌道解析法 / X線分子軌道解析法 / 2中心散乱因子 |
研究概要 |
本研究で対称心のみを有する低対称場中の3d軌道を、遷移金属錯体、Cu(diazaoctance)_2(NO_3)_2中のCU^<2+>について求めることに成功し、X線回折法で求めた電子密度分布を、もっとも良く説明するように電子軌道関数を求める、X線原子軌道解析法を一般的に行うことができるようにした。さらに、X線原子軌道解析法をCeB_6に適用するなど、この方法による研究対象を広げるための研究も行った。また、X線原子軌道解析法では、多重反射による測定強度の変動は無視できないことを明らかにし、多重反射を避ける強度測定法を確立した。 次に、X線回折法で求めた電子密度分布を、もっとも良く説明するように分子軌道関数を求めるX線分子軌道解析法の開発を行った。100Kで測定したジフォルモヒドラジド、(NHCHO)_2、のX線回折強度データの解析に、このプログラムを使用して、X線分子軌道解析を行った。ab initio MO法で計算した分子軌道を出発パラメーターとした。以下に述べる結果と問題点が明らかになった。(1).簡単な有機化合物では2中心電子の回折強度への寄与は十分大きいので、X線分子軌道解析法は、現行の測定精度でも適用可能であること。(2).2中心電子に対応する温度因子を初めて定式化した。しかし、(3).原子核上の電子密度に大きな不一致があり、これを解決する必要がある。これは基底関数6-31Gの2s軌道関数が、実験で求めた電子密度分布を説明できないことによる。X線分子軌道解析法により、水素原子位置がX線回折法で原理的には決定できるので、これをX線分子軌道解析法の到達目標としていたが、この目的は達成できなかった。今後、電子密度分布をよく説明する基底関数を構築する研究を進める必要がある。また、X線分子軌道解析法ま完成後の応用として励起状態結晶解析が考えられるが、予備実験として、有機蛍光結晶の構造解析を行った。
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