研究課題/領域番号 |
07231215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 隆史 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027059)
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研究分担者 |
倉田 博基 京都大学, 化学研究所, 助手 (50186491)
磯田 正二 京都大学, 化学研究所, 助教授 (00168288)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 重合反応 / 電子線エネルギー損失分光法 / 吸収端微細構造 / 電子集団励起 / 高分解能電顕法 / 低温電顕法 / 結合状態マッピング |
研究概要 |
本研究の目的は、有機結晶内での重合反応などの化学反応のナノスケールでの新しい解析手段として、電子線エネルギー損失分光法と高分解能電顕法を提案するものである。前者は、入射電子線と試料内のある結合状態にある原子との相互作用の結果として起こる特性のエネルギー損失に着目し、そのエネルギー損失をした電子線のみからなる像を形成することで、化学反応の空間的な分布を知ろうとするものである。また、後者は、化学反応に伴う構造変化を直接に可視化して、マッピングを行うものである。本研究で購入した備品は電顕の試料作成に用いている。 1.電子線エネルギー損失分光法 (1)電子線エネルギー損失分光法による結合状態の解析のためのシステムの開発を行った。磁場によるエネルギー弁別によって、約1電子ボルトのエネルギー分解能が得られ、エネルギー損失吸収端K微細構造を観察できることが示された。その結果、原子の結合状態を反映したこれら吸収端微細構造の特定範囲を選別して結像できることがわかった。 (2)電子線エネルギー損失分光法による結像での空間分解能について考察し、約1ナノメーターの分解能が達成されることを実験的に示すことができた。また、結合状態の変化による試料内の集団的電子励起の違いを検出し、結像する事も可能であることがわかり、来年度にはこれらの二つの検出方法によるマッピングを試みる。 2.高分解能電顕法 ジアセチレン系分子の重合反応に伴う構造変化を観察した。重合反応は一般に電子線によっても引き起こされるので、部分的に重合が進行した試料について電子線観察は困難であったが、試料を液体ヘリウム温度まで冷却することで、電顕観察中での重合反応の進行を停止できた。その結果、重合反応の初期過程についての知見も得られ、熱的な重合反応は結晶表面から主に進行することなどが明らかになった。
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