研究課題/領域番号 |
07232207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
前田 京剛 東京大学, 教養学部, 助教授 (70183605)
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研究分担者 |
花栗 哲郎 東京大学, 教養学部, 助手 (40251326)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | スピン密度波 / 電荷密度波 / 複素誘電率 / 低温領域 / 電気伝導度 / スライディング |
研究概要 |
SDWのダイナミクスの研究意義として(1)SDWにしかない物性の発見、および(2)CDW/SDW共通の性質でいまだによく理解されていない問題の研究があげられる。本年度は、後者の視点から以下のことがわかった。 1)(TMTSF)_2PF_6(以下TMPと略称)を作成した。 2)作成した単結晶で直流電気伝導度の温度依存性を測定し、スピン密度波(SDW)状態で約5K以下から電気伝導度の温度依存性に試料依存性が非常に大きくなることを発見した。その多くはその温度領域では熱活性化型よりも緩い温度依存性を示している。 3)SDW状態で電気伝導度の電場依存性を測定したところ、測定した全温度領域までSDWによる電気伝導度は正常電子の伝導度とよくスケールすることがわかった。 4)15MHzまでの交流伝導度の周波数依存性を様々な直流バイアス下で測定した。その結果、複素誘電率の実部は全くバイアス依存性を示さない事がわかった。 1)-4)の結果は、無機擬一次元物質の電荷密度波(CDW)が低温領域で示す性質と酷似していることがわかり、SDW.CDWが低温で示す共通の性質として考えてよいことがわかった。したがって、逆にTMPのSDWのダイナミクスを「低温領域」で詳細に調べることにより、密度波の低温の挙動の理解について新たな一石を投じることができると期待される。
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