研究課題/領域番号 |
07232210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
為ヶ井 強 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30183073)
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研究分担者 |
芝内 孝禎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00251356)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 有機超伝導体 / マイクロ波 / 超伝導対称性 / ピーク効果 / ジョセフソンプラズマ共鳴 |
研究概要 |
有機超伝導体では、BCS理論で考えられているフォノンを媒介とした引力相互作用以外の引力相互作用により超伝導状態が実現されている可能性がある。対波動関数の対称性はBCS理論では等方的s波であるが、超伝導発現に電子相関が重要な役割を果たすと考える理論では、対波動関数は異方的なd波の対称性を持つと考えられている。 我々は、マイクロ波の表面インピーダンス測定により磁場侵入長の温度依存性の精密測定を行い、有機長伝導体κ-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2で特異な対波動関数の対称性を持った超伝導状態が実現されているか検証した。磁場侵入長・表面抵抗の温度依存性から、κ-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2に対しs波超伝導体で期待される熱活性型の温度依存性と矛盾しない結果を得た。 また、マイクロ波表面インピーダンス測定を混合状態にあるκ-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2に適用することにより、層間がジョセフソン結合した層状超伝導体に期待されるジョセフソンプラズマ共鳴の観測を試みた。その結果この物質において、酸化物高温超伝導対以外で初めてジョセフソンプラズマ共鳴と考えられる共鳴吸収を観測した。 一方、層状構造を持つ超伝導体では、各種の長さが層間隔に等しくなるところで次元のクロスオーバーが期待される。我々は小さな試料でも高精度で磁化の測定できる微小ホール素子を用いて、κ-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2の局所磁場ヒステリシスにピーク効果が見られることを明らかにした。このピーク効果は、Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>で知られている磁束線のパンケーキボルテックスへの分解に起因すると考えられる。
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