研究課題/領域番号 |
07233201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
榊原 俊郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70162287)
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研究分担者 |
天谷 健一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70261279)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 重い電子系化合物 / メタ磁性 / 超伝導 |
研究概要 |
本年度は表題の研究課題に基づいてSm_3Te_4、Ce_<1-x>La_xB_6およびUPt_3を中心に研究を行った。以下にそれぞれについて報告する。 1.Sm_3X_4(X=S, Se, Te)はキャリアがほとんどゼロであるにもかかわらず低温比熱が大きなC/T値(〜1.2J/mole・K^2)を示すことで注目されている。そこでSm_3Te_4単結晶を用いた磁化測定を行った。AC磁化率の測定ではT_g〜1.2Kにおいて大きなカスプが観測された。DC磁化の温度変化の結果は磁場中冷却(FC)およびゼロ磁場冷却(ZFC)のデータがT_g以下の温度で顕著な差があらわれた。この結果はこの系がT_g〜1.2Kのスピングラスであることを強く示唆している。 2.CeB_6の反強4重極転移と反強磁性転移を解明する一つのアプローチとしてLa希釈効果を調べ、x=0.75および0.5の単結晶による50mKまでの磁化測定を行った。x=0.75ではすでに反強4重極相境界はかなり低温まで押し下げられていることがわかった。またゼロ磁場付近では約1.7K以下で反強磁性転移(新しい構造の)が先に起こっている可能性が大きい。これについては磁場スキャンの実験ではわかりにくいので、磁場を固定して温度スキャンの実験を今後行う予定である。 3.可逆(熱平衡)磁化M_<eq>の測定から混合状態における常磁性応答を調べ、電子対の対称性に関して考察した。その結果、H_<c2>でのM_<eq>^0の立ち上がりはH//cの方がH⊥cと比べて約10倍大きいことがわかった。UPt_3ではスピン磁化率が最も小さい方向であるH//cでは常磁性効果が存在するが、スピン磁化率の大きいH⊥cで常磁性効果が存在しないと考えられる。実験結果は、UPt_3ではc面をペアスピン相関の容易面とするodd-parity pairingの可能性を示唆していると考えられる。
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