研究課題/領域番号 |
07234101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
相原 正樹 山口大学, 教養部, 教授 (70091163)
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研究分担者 |
稲垣 剛 山口大学, 理学部, 助手 (10253139)
飯田 武 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047191)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 電子正孔系 / 多体効果 / ジョセフソン効果 / 光章動 / コヒーレンス / 巨視的量子効果 |
研究概要 |
本研究により、レーザー光によって制御された高密度電子正孔系における巨視的量子現象が以下の通り理論的に明らかにされた (1)光章動現象における量子多体効果 位相緩和のと時間依存性を考慮に入れた一般化された半導体光ブロッホ方程式を導出し、それを数値的に解くことにより、量子多体効果が位相緩和に打ち勝って多体系に特有な光章動現象が生ずることを明らかにした。すなわち、クローン相互作用による多体効果を考慮しない場合には位相緩和現象によって吸収が単調に飽和する場合でも、電子正孔ペア凝縮状態による物質の自発的コヒーレンスにより振動的な光章動現象が生ずることが示された。 (2)光双安定性と近接効果 励起子は疑似ボ-ズ粒子であるためボ-ズ凝縮相を形成し超流動が起こると期待される。しかし高密度になるに従い励起子を構成している電子と正孔のフェルミオン性が表に出た電子正孔BCS相が実現される。我々は、これらのポ-ズ凝縮相とBCS相の間では1次の相転移が生ずることを既に明らかにしているが、弱く接合した二つの半導体のトンネル効果を解析することにより、その差異がトンネル現象の近接効果として観測できることを最近見いだした (3)量子揺らぎの効果 上で述べたように、励起子系がヘリウム系と異なる着目すべき点は、励起光を制御することによりボ-ズ凝縮相から性質の異なるBCS相へ変化させ得ることである。それを理論的に扱うには、従来のBCS的な平均場理論では不十分で、揺らぎの効果を取り入れた解析が必要となる。そこで、超伝導における一般化された乱雑位相近似による理論を光と結合した電子正孔多体系に適用することにより、位相の揺らぎが関与した特徴的な集団励起モードの存在を見いだした。現在、それが光応答や輸送現象にどのように反映されるか解析中である。 なお、本研究は多くのメモリーを消費する長時間の数式処理コンピュータプログラムの実行が不可欠で、本補助金により初めて可能になった。
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