研究概要 |
1.直接接触熱伝達特性に及ぼす諸因子の効果の検討 既存の固・気・液三相流動層実験装置を用い,疎水性液体と氷粒子を混合したものを供試スラッシュアイスとして,その直接接触熱伝達特性に及ぼす,諸因子(流動空気温度および流量,氷充填率など)の影響を検討した.また,疎水性液として,植物油などの油脂,灯油,シリコンオイルなどについて,熱伝達特性,安全性,および価格などの点からそれらの得失点に関して検討を行った.実験の結果,これらの疎水性液体と氷粒子を混合したスラッシュアイスは,氷粒子の固着の問題があることが判明した.このため,水溶液系スラッシュアイスと比較して流動性が著しく劣り,水溶液系スラッシュアイスの場合よりも採冷熱伝達特性が低下するという結果が得られた. 2.疎水性スラッシュアイスよりの採冷熱時におけるエクセルギー評価 実験で得られた採冷熱伝達特性より,疎水性スラッシュアイスと水溶液系スラッシュアイスをエクセルギー評価の観点から比較検討を行った.疎水性液スラッシュアイスでは,氷の融解温度が常に0℃となるため,エクセルギー損失は低減されるが,流動層としての熱伝達率が低下するため,エクセルギー効率は水溶液系スラッシュアイスの場合よりやや低い値を示す結果となった. 3.画像処理による流動状態の定量的把握 画像解析装置を用い,固・気・液三相流動層の流動状態の定量化を行い,熱伝達率と流動状態の関係についての定量的評価を行った.
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