研究課題/領域番号 |
07235224
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
斉藤 泰和 東京理科大学, 工学部, 教授 (10010761)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 化学ヒートポンプ / エクセルギー効率 / 水素化脱水素反応 / 液膜型触媒反応 / 2-プロパノール / シクロヘキサン / 非平衡・定常系 / エントロピー駆動 |
研究概要 |
アセトン水素化と2-プロパノール脱水素の可逆反応対に凝縮分離を組合わせたケミカルヒートポンプは、熱駆動型昇温モードのヒートポンプのうちでも、(1)昇温幅が大きい、(2)駆動力が低品位熱源から環境への熱の流れで賦与される、(3)連続循環型の非平衡定常プロセスであり、エクセルギー損失が少ない、という特筆すべき利点を持っている。特に沸騰条件下、液膜型触媒反応方式で2-プロパノールを連続的に脱水素したところ、蒸発速度を反応速度にたいして充分低く抑え得たことから、83℃加熱で反応転化率20.9%、低品位熱利用率(=吸熱反応熱量/供給低品位熱量)25.6%、熱エネルギーの化学的変換におけるエクセルギー効率(=標準状態におけるギブスエネルギー変化〔出口(アセトン、水素、2-プロパノール混合気体)-入口(2-プロパノール液体)〕/供給低品位熱エクセルギー〔熱量×カルノ-係数〕)58.6%を得ることができた。触媒は炭素担持白金-ルテニウム複合金属微粒子である。 別に本ケミカルヒートポンプシステムについて行われたエクセルギー解析の結果から、システム熱効率10%、低温脱水素・蒸留分離過程でのエクセルギー損失は高温水素化・熱交換過程での値を大きく上まわり、熱駆動型ヒートポンプの理論効率39%(エクセルギー損失がゼロ)に及ばない理由が明らかとなって来ている。すでにパイロットスケールのプラント(日揮(株)設置、NEDO支援)で確認されている、80℃を200℃に昇温する蒸気出力1×10^5kcal/hの熱再生型水素熱ボイラーの熱効率10%については、脱水素・分離過程を平衡的に進めたためといういことができるので、本研究によって明らかにされた非平衡定常型・低温吸熱反応方式の利点を生かし、熱効率をさらに向上させうることが示された。なお、並行して進められたシクロヘキサンからベンゼンと水素を得る触媒反応は、90℃で平衡転化率を越えた。
|