研究課題/領域番号 |
07236235
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 文俊 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (00235392)
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研究分担者 |
岡本 正宏 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (40211122)
柏木 浩 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (10000853)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | タンパク質 / 密度汎関数法 / オブジェクト指向プログラミング / チトクロムc_3 / 確率オートマトン / オブジェクト指向による並列化 / GUI / AVS |
研究概要 |
平成7年度の成果は以下の通りである。 (1)タンパク質の全電子波動関数を計算する密度汎関数法プログラムの開発とその実行 開発したプログラムは以下の1〜4の特徴を持つ。1.オブジェクト指向言語C_<++>によるコーディング。2.ガウス型基底関数を用いた密度汎関数法。3.解析的Xα法の採用。4.タンパク質の電子状態計算のための初期電子密度作成。これを用いてA〜Dの成果を得た。A.通常のワークステーション上で1〜20残基のグリシンペプチド鎖の全電子波動関数計算を実行した。B.独自に大規模計算のためのアルゴリズムを工夫することによって、計算時間はグリシン残基数の1.7乗の依存性を達成した。ガラス型基底関数を用いた密度汎関数法を採用しているため、計算量では数式の上ではアミノ酸残基数の3乗であったが、これを大幅に改善することができた。C.積分計算のカットオフ法による高速化を検討した。この手法により、CPU時間のみならず、計算に使用するディスク容量も大幅に節約できることができる。D.積分計算およびSCFルーチンのパラレル化を検討した。パラレル化にもオブジェクト指向の技術を採用することで、従来までのプログラミング手法では困難であった、計算モデルと実行プログラム間のセマンティックギャップの解消、並列処理部と計算実行部との明示的な分離が達成されることが明らかとなった。 (2)タンパク質内の酸化還元過程における状態遷移の予測 チトクロムc_3の16個の酸化状態において実験データと適合するように状態間の遷移確率をパラメータとして割り振り、確率オートマトンの方法を用いて数値シミュレーションを行なった。その結果4つのヘム間の内部ホッピングが重要な因子であることが明らかとなった。 (3)これらを高機能ワークステーション上で実行し、結果を可視化する統合環境の構築 独自のグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)をグラフィックスツールAVS(Application Visual System)とツールキットOSF/Motifを用いて作成し、密度汎関数法の入力データの作成や計算結果の画像表示などがマウス操作で行なえるようになった。さらに汎用的なオブジェクト指向プログラム解析システムとタンパク質構造解析システムも作成した。
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