研究課題/領域番号 |
07237101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福山 秀敏 東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10004441)
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研究分担者 |
十倉 好紀 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30143382)
佐藤 正俊 名古屋大学, 理学部, 教授 (40092225)
今田 正俊 東京大学, 物性研究所, 教授 (70143542)
前川 禎通 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005973)
安岡 弘志 東京大学, 物性研究所, 教授 (50026027)
藤森 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (10209108)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
53,500千円 (直接経費: 53,500千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
1996年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1995年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | モット絶縁体 / 異常金属相 / 銅酸化物高温超伝導体 / 擬ギャップ / マンガン酸化物 / 巨大磁気抵抗 / 電荷秩序 / 軌道自由度 / 銅酸化物高温超伝導 / スピンギャップ / バナジウム酸化物 / 軌道秩序 / ルテニウム酸化物 / ペロブスカイト / フィリング制御 / 金属-絶縁体転移 / 電荷 / 軌道整列 / モット転移 / 高温超伝導 / 重い電子系 / 有機導体 / 対称性 |
研究概要 |
モット絶縁体は電子間の強い相互作用に起因した絶縁体状態であり、単純なバンド理論では記述できない。このモット絶縁体では電子スピンが各格子に残り様々な磁性が出現する。このモット絶縁体にキャリアーがドープされると電流が流れるようになり金属的な状態が実現するが、そこでは電流と磁性が密接に関連しており、バンド理論での絶縁体にキャリアーがドープされた状況である半導体とは本質的に異なった「異常金属相」となる。実は、銅酸化物において見られる高温超伝導はこのドープされたモット絶縁体の基底状態のひとつと考えることができるのである。また、多くの遷移金属酸化物が示す多彩な現象はこの「異常金属相」の諸相なのである。本計画はこのドープされたモット絶縁体に於ける異常金属相の本質を実験的・理論的に明らかにし、更に、新しい方向を方向を見出すことが目標であった。この目標に向かっての3年間の研究成果の第1は銅酸化物においては「異常金属相」の実験的事実をほぼ完全に明らかにしたことである。特に低ドープ領域に於けるスピン・ギャップないしは擬ギャップをはじめ、より高温に見られるホール係数の異常の様相が明らかになった。理論的には、高温領域で反強磁性的スピンゆらぎの成長がホール係数の異常を引き起こし、より低音で1重項の成長が擬ギャップの発現機構の原因となっているというシナリオが浮かびあがってきた。一方、他の遷移金属酸化物の中で最も良く研究されたマンガン酸化物に於いては軌道の自由度が多彩な磁気的・電気的性質を引き起こす様相が明らかにされ、巨大磁気抵抗やにおいて、モット絶縁体・異常金属相をはじめp-波的超伝導が発見された。この発見は、軌道自由度の量子的ゆらぎが未知の液体状態を引き起こす可能性を示唆し、将来の研究におおきなテーマを明示した。
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