研究課題/領域番号 |
07237105
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 正俊 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40092225)
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研究分担者 |
内田 慎一 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10114399)
遠藤 康夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00013483)
伊戸 政幸 (伊土 政幸) 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90111145)
藤田 敏三 広島大学, 理学部, 教授 (20004369)
朝山 邦輔 大阪大学, 大学院・基礎工学研究所, 教授 (20029416)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
156,700千円 (直接経費: 156,700千円)
1997年度: 45,000千円 (直接経費: 45,000千円)
1996年度: 55,600千円 (直接経費: 55,600千円)
1995年度: 56,100千円 (直接経費: 56,100千円)
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キーワード | モット転移 / 高温超伝導 / 異常金属相 / スピンギャップ / 強相関電子系 / 2次元強相関電子系 / 超伝導対称性 |
研究概要 |
銅酸化物の異常金属相はモット絶縁相にドープされた正孔の濃度pと温度Tの2次元平面上のT<T_0(p)(p【less than or equal】p_0,T_0(p_0)=0)の限られた領域に存在する。このことはHall係数や帯磁率の挙動からわかった。この異常金属相のp領域と高温超伝導の出現する領域との一致がこの相の物理の重要性を端的に示すことになったが、さらにT_0以下の異常物性が"超伝導相におけるクーパー対と同様の対称性をもった電子スピン一重項対形成、さらにはそれに伴った擬ギャップ形成によるものである"ことが多くの実験から示されたことによって、この相の容貌もはっきりしてきた。すなわち、いわゆる"スピンギャップ異常"を特徴づける温度T_<SG>(<T_0)を含め、銅酸化物系の物性が以下のようにまとめ上げられた。電子の反強磁性相関とスピン一重項相関とが降温とともにT_0付近から成長する。さらにT_<SG>まで温度が降下するとスピン一重項が支配的となり"スピンギャップ異常"としてそれが顕在化するが、量子ゆらぎの存在のために超伝導が現れるのはさらにT_Cまで温度が下降してからである。このような描像は高温伝導発現メカニズムが磁気的相互作用によるもので、特にCuスピン間に働く大きな交換相互作用Jがその高いT_Cの実現に極めて重要であることを示している。これはオーダーパラメーターの対称性がd-波的であることを自然に説明する。具体的実験においては中性子散乱、核磁気共鳴、角度分解光電子分光、STM/STS等あらゆる手段が銅酸化物および関連物質系に対して適用され、それによってこのような曖昧さのない結論が引き出されたということができる。 CuO_2面をもつ高温超伝導体の研究以外にもスピーラダー系の圧力下での超伝導の発見、Sr_2RuO_4のエキゾチックな超伝導の発見、一次元スピン系におけるスピン電荷分離現象の角度分解光電子分光による観測、CaV_4O_9を代表するスピンギャップをもつ量子スピン系の研究さらには遷移金属化合物の金属-絶縁体転移に関する研究が大きく進んだ。
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