研究課題/領域番号 |
07237209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青木 秀夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50114351)
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研究分担者 |
黒木 和彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10242091)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 高温超伝導 / d-p模型 / 金属・絶縁体転移 / 強相関 / 量子モンテカルロ法 / 変分モンテカルロ法 |
研究概要 |
様々な実験的、理論的研究から高温超伝導の本質はCuO_2面にあり、その電子状態は2次元d-p(3バンド)模型で記述されると考えられる。d-p模型を規定するパラメーターは主としてd軌道内の斥力Uとdとpのレベル差Δ、d-p間ホッピングt_<dp>である。我々はこれまでに以下のような領域で2次元d-p模型の量子モンテカルロ計算を行った。すなわち、(i)強相関(U_d,Δ>反結合一体バンド幅)領域を含み、(ii)ド-ピングが実験的に超伝導が発現するδ〜0.15付近で、(iii)基底状態(射影)量子モンテカルロ法を用いて相関関数を計算し、その試料サイズ依存性(最大8×8単位胞)ならびに実空間での振舞いをチェックする。その結果、相互作用の大きさが一体バンド幅と同程度以上の領域で、d波超伝導相関関数がサイズとともに増大する結果を得た。この傾向は実際の銅酸化物を記述する電荷移動領域(Δ<U)のみならず、モット・ハバ-ド領域(Δ>U)でもみられ、二つの領域には、超伝導に関して定性的な差異はないことを示唆するものである。我々はまた、変分モンテカルロ法によるd-p模型の研究にも着手した。d-p模型の変分モンテカルロ計算は従来もあるが、電子相関の入れ方に問題があると考えられる。我々は新たに変分関数を考案し、これはd-p模型での電子相関の効果をより正確に取り入れられると考えられ、実際、常伝導状態に関しては、従来の研究で用いられてきたものよりもエネルギーが下がることが計算でわかった。
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