研究課題/領域番号 |
07237212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上田 寛 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20127054)
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研究分担者 |
林 昭彦 東京大学, 物性研究所, 助手 (10228562)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1995年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | バナジウム酸化物 / スピンギャップ / スピンパイエルス転移 / 酸素不定比性 / 異常金属相 / 高温超伝導体 / オーバード-ピング / スピンダイナミクス |
研究概要 |
本年度では以下のような様々なバナジウム酸化物での研究を展開してきた。圧力安定化V_2O_3金属相および不定比化合物V_<2-y>O_3、(V_<1-x>Ti_x)_2O_3において高温超伝導体と良く似たスピンギャップ的挙動を発見し、また、伝導性物質LiV_2O_4においても異常な磁気挙動を見出した。絶縁体ZnV_2O_4との固溶系は金属から絶縁体に変化し、中間領域ではスピングラス転移を示すことや、ZnV_2O_4は50Kでスピネルら正方晶に構造転移すること、100K付近からゼロ磁場冷却と磁場中冷却では磁化率に差が観測され、これが磁気秩序と関係ないことなども見出した。伝導性物質CaVO_<3-δ>においては、Zrゲッターによる酸素不定比性の制御法を開発し、新たに3つの酸素欠損型化合物を見出した。酸素欠損の程度により構造が微妙に異なり、欠損量の少ない領域では欠損量に応じてキャリアーがド-ピングされるが、欠損量の多い相では、電荷の分離と極在化が生じている。CaV_nO_<2n+1>(n=2,3,4)のうち梯子型構造を持つCaV_2O_5においてはスピンギャップ挙動を見出し、同型のNaV_2O_5ではスピン・パイエルス転移を見出した。転移温度は34Kでこれはこれまでに発見されている化合物中最も高い。さらに、もう一つのスピン・パイエルス無機化合物であるCuGeO_3の単結晶合成を行い、核磁気共鳴によりナイトシフト、電場勾配テンソルの精密決定に成功した。 高温超伝導体関係では、La-123でオーバード-ピングを実現し、そのスピンダイナミクスの解明を行ったことが特筆される。
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