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高温超伝導体及び遷移金属酸化物のラマン散乱

研究課題

研究課題/領域番号 07237220
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

水貝 俊治  名古屋大学, 理学部, 教授 (50028263)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワードラマン散乱 / 量子スピン反強磁性体 / 強相関電子系 / スピン-電荷密度分離 / 1 / 8問題 / Ca_2CuO_3 / CuGeO_3 / La_2NiO_<4+δ>
研究概要

1次元S=1/2量子スピン反強磁性体Ca_2CuO_3は0〜6000cm^<-1>にCuGeO_3は0〜600cm^<-1>に幅の広い2-マグノン散乱スペクトルを示す。これらの高エネルギー端は2πJ(Jは交換相互作用)に対応し、古典的2-マグノン散乱の高エネルギー端2Jよりはるかに高エネルギーである。1次元反強磁性体の2-マグノン散乱は禁止されているにもかかわらず観測されるのは、鎖間相互作用よりもむしろスピン-フォノン相互作用が重要であると考えられる。高温超伝導体のキャリアーをドープしない絶縁体でもラマン散乱不活性なA_g対称2-マグノン散乱がラマン活性なB_<1g>対称2-マグノン散乱と同程度の強度を持っているのはスピン-フォノン相互作用が重要であると考えられる。
La_2NiO_<4+δ>はδ=0.1以上にキャリアーをドープしても絶縁体でδ=0.125では長距離秩序を持つスピン密度と電荷密度の分離が起こることが分かっている。δ=0のとき1500cm^<-1>以下の電子ラマン散乱は温度の上昇と共に増加する。2-マグノン散乱は温度の上昇と共に強度、エネルギー共に低下して、450Kで消失するが、500K以上で高エネルギー側に再び現れる。δ=0.02ではδ=0のときより高エネルギーで温度変化は小さい。このことからキャリアー密度が非常に小さいとき(δ=0で450K以下)は一様に分布するが、それ以上の密度ではスピンと電荷密度の分離が起こることを示している。δ=0.02のときはキャリアーの存在する場所のフォノン・エネルギーが低下し、最高エネルギーのフォノン・ピークが2本に分離する。δ=0.02のときは高温超伝導が抑制されるLa_<2-x>Ba_xCuO_4(x=0.125)と同じLTT構造をとる。このとき電子散乱スペクトルは80K以下で先の最高エネルギーのフォノン・エネルギー以下の散乱強度が減少し、それ以上の強度が増加する。すなわちこのフォノンが関与してフェルミ面近くの電子状態密度が減少することを示しており、La_<2-x>Ba_xCuO_4(x=0.125)の超伝導の抑制に関係していると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Hori,M.Furusawa,S.Sugai,M.Honda,T.Takeuchi,and K.Kindo: "High-field magnetization and ESR-measurement in CuGeO_3" Physica. B211. 180-183 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] S.Sugai,J.Wada,K.Yamada,S.Hosoya,and Y.Endoh: "Spin-phonon interactions in the Raman spectra of one- and two-dimensional quantum spin antiferromagnets" Physica B. (in press).

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] S.Sugai,H.Sotokawa,D.Kyokane,and A.Onodera: "Bose peak in the Raman spectra of densified SiO_2 and GeO_2 glass under high pressure" Physica B. (in press).

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] S.Sugai,N.Kitamori,N.Yamane,T.Noji,and Y.Koike: "Phonon and two-magnon Raman scattering in Pb_2Sr_2Ho(Y)_<1-x>Ca_xCu_3O_<8+δ>" Physica C. (in press).

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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