• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

地球環境における炭素フラーレンの探索

研究課題

研究課題/領域番号 07238214
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

菅井 俊樹  名古屋大学, 理学部, 助手 (50262845)

研究分担者 篠原 久典  名古屋大学, 理学部, 教授 (50132725)
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワードフラーレン / P / T境界 / 生命の大絶滅 / 地球史解読の指標
研究概要

今年度の研究の結果、愛知県犬山に路頭しているP/T境界近傍の黒色泥岩から、かご状炭素同素体フラーレンC_<60>と思われる物質を検出することに成功した。2億5000万年前のP/T境界では、95%以上の海洋生物種が絶滅したとされ、地球環境に大規模な変動があったものと考えられている。我々は、P/T境界とそれを鋏む時代の環境の特徴を探る目的で、この境界の地層中のフラーレン物質の検出を試みた。愛知県犬山に路頭しているP/T境界近傍の黒色泥岩と赤色チャート層から複数の岩石試料を採取した。約2kgの試料を粒径1mm以下に粉砕し弗化水素酸に溶解させた。約200gの黒色微粒子状の残査から、200ccのトルエンを用いてフラーレン類を抽出した。この抽出溶液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析した。その結果、カラムを通過する保持時間が標準試料のフラーレンと同様に8.6分に現れ、岩石試料中の濃度は3ppb程度と推定された。保持時間の一致だけではC_<60>と同定するには不十分であるが、P/T境界の黒色泥岩層中にはフラーレン様物質が存在することを強く示唆するものである。このフラーレン様物質は、P/T境界の時代に広く繁殖していた不飽和炭化水素が多量に含む陸上植物の大規模な火災による燃焼により生成した可能性が高い。このフラーレンの安定性と生成条件は実験室において詳細に調べられており、その存否、濃度の時代分布などは、大気成分や植生などが関わる地球環境変動についての新しい情報を与えるであろう。このような地層にフラーレンが含まれていること自体が一つの大きな発見である。今後は、P/T境界の赤色チャートとともに、他の地層を調べ地球環境における炭素フラーレンの探索を地球史解読の指標とする予定である。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi