研究課題/領域番号 |
07239217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
高田 雅介 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20107551)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | GdBa_2Cu_3O_<7-δ> / 赤熱点 / 酸素イオン伝導 / 抵抗率の温度依存性 / 酸素センサー / 定電流源 / 流量計 / 超伝導臨界電流密度 |
研究概要 |
GdBa_2Cu_3O_<7-δ>セラミックス線材に室温で一定以上の直流電圧を印加すると、試料上に局部的な赤熱領域が発生し、その赤熱点が電流方向に毎分数mmで移動するという新しい現象を見出した。この現象は高温での本物質の欠陥構造、特に酸素イオン伝導性との関連が深いことが推測される。 そこで、本研究では、赤熱点の発生及び移動機構の解明、さらにこの現象を利用した新規応用分野の開拓を目的として、酸素分圧P_<02>を変化させた場合の電流値及び赤熱点サイズの電圧特性、赤熱点の移動速度、抵抗率の温度依存性を測定した。 その結果、一定のP_<02>において、赤熱点発生後の電流値は電圧に依存せず一定、すなわち定電流特性となるのに対して、赤熱点サイズは電圧の上昇と共に直線的に増加した。またP_<02>の上昇に伴って電流値及び移動速度は増加した。試料の抵抗率は酸素欠損量δを反映して400℃以上で温度上昇に伴い急激に増加し、800℃以上の高温においてピークとなることが分かった。このピーク温度はP_<02>の上昇に伴って上昇した。 考察の結果、線材に印加する電圧に依存せず、P_<02>の上昇に伴って、赤熱点の抵抗率は減少、温度は上昇するという結論を得た。また、赤熱点の発生は、試料の抵抗率の温度依存性に起因すること、赤熱点の移動は酸素イオンの移動に起因することを明らかにした。 得られた知見から、幾つかの応用を検討した。まず、赤熱点発生後の電流が電圧によらず酸素分圧によって決まる事を利用して、極めて単純な構成の、しかも製造コストが著しく低廉な酸素センサーを提案した。定電流源、流量計として応用も可能であることを明らかにした。さらに赤熱点の移動による熱処理を利用して、GdBa_2Cu_3O_<7-δ>セラミックスの超伝導臨界電流密度の改善に成功した。
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