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ERDとXPSを用いたプロトン伝導性酸化物における水素挙動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07239224
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

森田 健治  名古屋大学, 工学部, 教授 (10023144)

研究分担者 柚原 淳司  名古屋大学, 工学部, 助手 (10273294)
曽田 一雄  名古屋大学, 工学部, 助教授 (70154705)
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードプロトン伝導性酸化物 / X線光電子分光 / 反跳粒子検出法
研究概要

SrCe_<0.95>Yb_<0.05>O_<3-δ>に代表されるプロトン伝導性酸化物は、高温において比較的高いプロトン導電性を示す優れた電気化学的性質を持ち、燃料電池や水素ポンプなどの材料として注目されている。本研究の目的は、反跳粒子検出法(ERD)によりこの物質中の水素の動的挙動を支配する素過程を調べると共に、光電子分光法(XPS)によりこの物質の電子状態や水素の吸着状態に関する知見を得ることである。
まず、5keVの水素を室温で注入したSrCe_<0.95>Yb_<0.05>O_<3-δ>試料を等時及び等温焼鈍し、その水素濃度分布をERDで測定した。飽和注入量はH/SrCe_<0.95>Yb_<0.05>O_<3-δ>比で1.1と評価された。同時に測定したラザフォード後方散乱スペクトルでは、Ceからの散乱強度が水素注入により減少した。これは、格子間に多量に注入された水素による阻止能の増加が原因と考えられる。等時焼鈍すると、水素の大部分が70°Cと300°C付近で再放出されるが、飽和値の数%程度は700°Cでも残留した。また、等温焼鈍による水素濃度変化は時間の指数関数的に減衰する2つの成分と1つの安定な成分で説明できた。これより、水素の再放出は一次反応により生じ、その律速過程は捕獲中心からの水素の脱捕獲であると考えられる。等温焼鈍実験の解析から、2つの再放出過程の活性化エネルギーをそれぞれ0.52±0.07eV、0.80±0.25eVと決定した。前者はイオン注入によって格子間位置に過剰に存在する比較的不安定に束縛された水素の熱的脱捕獲エネルギーに対応し、後者は通常の拡散機構で拡散する比較的安定に束縛された水素の熱的脱捕獲エネルギーに相当すると考えられる。
一方、XPS測定では、試料に水素を注入する前後でCe3d及びO1s内殻準位線に変化が見られ、水素注入によるCeの価数変化と試料表面におけるO-H結合の形成が推察される。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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